リタリンはナルコレプシーに使って
眠くて仕方ない人の目を覚ましたりすると考えられている
その連想から言うと
ADHDの人に使えば
なおさら落ち着きがなくなるような気がするけれども
実際には
抑制系の神経細胞を賦活するので落ち着く方に働くことになる
ADHDの人は抑制系の発達が部分的に遅れているのだろうと考えれば辻褄が合うが
はっきりしたことではない
抑制系がよく出来上がっている人にリタリンを使ってもそのようなことは起こらない
ベンゾジアゼピン系抗不安薬とかドパミンブロック系薬剤は
使用する量や個体差によって
抑制系と促進系とどちらに強く作用するかが違ってくるので加減が難しい
アクセルとブレーキがあって
どちらにどの程度効くのか
個体差があるわけだ
抑制することもあるし脱抑制することもある
薬剤の量と種類と効き目で個体の特性が逆にわかることになる
アルコールも似たような具合で
個体によって楽しくなったり眠くなったりいろいろと違いがある
アクセル系は出来上がっているがブレーキ系が足りない人には
全体に賦活する薬を使うと
ブレーキの効きのよくなり具合がアクセルの効きのよくなり具合を上回るという理屈だ
そのような意味でもADHDは興味深い
ただし、成人のADHD症例にはリタリンの適応はないので使わない
大人になれば薬がなくてもなんとか出来るくらいに抑制系が発達するとみられている