「神は、神を愛する者たちとと共に働いて、万事を益となるようにしてくださる。」
(ローマ人への手紙)
アウグスティヌスは、この「万事」の次に「罪でさえも」という注釈を付け加えた。
(「恩寵と自由意志について」)
キリスト者は、勿論、そう考えなければ、ならない。
しかし現代社会に生きる人間である限り、
そう考えてばかりはいられない。
あるいはのどかな田園でなら可能だろうか。
ニューヨークでは不可能であるとしても。
突然銃が乱射され、学生が殺される。
米軍兵士は自殺する。
暴行された少女は迷路をさまよう。
そのようなことは少数の例外であると信じたいが、
しかし現状では、キリスト者であることは、難しい。
なおも信じよと2千年の間、言い続けている。
2千年にわたる空手形である。