立場により見えている世界が違うこと シモーヌ・ヴェイユ

それぞれの立場によって

見えているものが違うので
世界の解釈が違ってくる
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旅行会社で言うと
HISが飛びきりの安さで売っているが
どうしてそんなに安いのか
ライバルの大会社の社員に聞いた
分からないんですよ
原価はこちらと大して変わりないはず
どうやって商売しているんでしょうね
ライバルの幹部に聞いた
ここでは書けないこともあるが
書けることで言うと
会社で飛行機会社から一括して席を買ってしまう
安いが大量に仕入れる
売り切らなければ負け
だから何が何でも安くても大量に売る
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立場によって接している情報が違うので
世界の解釈も違ってくる
シモーヌ・ヴェイユは
兄が数学のブルバキ中心人物アンドレ・ヴェイユ
妹である彼女は
14歳で兄と比較して自分の凡庸さに悩み
挫折を体験する
そんな兄と比べることが大間違いだし
シモーヌ・ヴェイユ自身はその後フランスの高等師範に進み
文句なしの秀才であるのだが
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ヴェイユは教師を始めるが、
25歳の時、労働者の生活を体験するために
電気会社で女工となり、次いで鉄工会社で女工になる。
それぞれ4ヶ月と1ヶ月で解雇される。
ルノー工場のストライキ、27歳でスペイン市民戦争に義勇軍として参加。
25歳のあたりから摂食障害が始まり、33歳、ナチスによるユダヤ人迫害のためアメリカに亡命。
その後ロンドンに。
身体の衰弱が進行し入院。結核があり、彼女は栄養補給を拒否。
死に至る。
習慣的自己否定癖(confirmed negativity condition )との診断もある。
自分のことより他人のことを心配ばかりしているとの評価もある。
繊細で、やさしく、我慢強く、精力的である。
これは摂食障害の人に共通してみられる特性でもある。
この特性を人生の中で行かしていけばよいと言われている。
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よく考えてみれば、
太宰治なんかも
肉体労働者として
トヨタとかで働いてみればよかったと思う
昔だったら蟹工船だろうか
そこがないから
シモーヌ・ヴェイユのように格が上ではないのだし、
しかしだからこそ国民的に愛されてもいるのだろう。
シモーヌ・ヴェイユは、
エリートが、若い一時期に傾倒する、そのような書物だろう。