中学生の時に太宰治の走れメロスを読むとその華麗な文章技術にまんまと乗せられて
人間を信じようと思ってみたりする。熱い心で。
しかしほどなくそれは幻想だったと気がつく。
江戸時代くらいまでの現実は人間を信じたら損をして挙句の果てには命を落とす
だから人間不信などはまるっきり当然であった
人を信用せず
近づかず背中を見せずうっかり心に踏み込ませず
いつでも生命財産妻を狙われている覚悟で生きる
その程度にすさんだものであった
人生というものは
この状況では人間不信や被害妄想に積極的な価値がある
自分を守ってくれるのである
妙にポジティブな人などはすぐに全財産を失い命もなくす
従って今行き延びている我々はみんな疑心暗鬼の子供である
合理的思考が崩れたらすぐ次に現れるのが被害妄想なのである
被害妄想は人間を守ってくれる
そんなわけで最上位の脳構造が崩壊した場合に被害妄想が出現するのである