性的虐待の深刻さ 演劇で訴え
8月21日 23時7分
子どもへの虐待事件が相次ぐなか、被害が表面化しづらいといわれる性的虐待の深刻さを描いた演劇が、東京の弁護士たちによって上演されました。
この演劇は、虐待などに関する電話相談に応じている東京の弁護士たちが、毎年、実話をもとに制作しているもので、ことしは性的虐待をテーマに、東京の豊島公会堂で上演されました。主人公は、援助交際して警察に保護された高校生の少女で、少女が接見した弁護士に、小学生のころから義理の父親から性的虐待を受けていたことや、恥ずかしさから周囲に相談できず、自暴自棄になり、性を売り物にしていったことを打ち明ける姿が演じられました。全国の児童相談所に寄せられる児童虐待の相談は、この10年で4倍以上に増えていますが、性的虐待の相談も増え続け、平成20年度では1300件余りの相談が寄せられています。今回の演劇の脚本作りにかかわった坪井節子弁護士は、「性的虐待を受けた子どもは、自分はどうなってもよいと感じるようになり、簡単に性を売ったり、うつ病になったりするケースもある。性的虐待を放置することで、子どもがどれほど深刻な被害を受けるか知ってほしい」と話していました。