尖閣諸島の詳しい話

採録 詳しい話を聞いてみると、やはりニュースほど単純ではない

従来の日本当局は、中国漁船を追いかけても、追い詰めて逮捕起訴することはなかった。今回の逮捕起訴劇の重要点は、漁船の行為や中国の反応ではなく、中国が怒ることを知っていて逮捕起訴する日本政府の能動的な政治意志である。なぜ今、日本が中国を怒らせるかが重要だ。という
アメリカの使いっ走りで事を起こしても、アメリカがいつまでどんなつもりかは分かんないよ、とのことらしい

日中対立の再燃


 9月7日、沖縄県の尖閣諸島・久場島の沖合15キロの海上で、中国のトロール漁船が、違法操業を捜査しようと追いかけてきた日本の海上保安庁の巡視船を振り切ろうとして衝突し、船長らが公務執行妨害で海保に逮捕される事件が起きた。当時、この海域では100隻以上の中国漁船が漁をしていた。

 尖閣諸島の一部である久場島は、日本が実効支配しているが、中国と台湾(中華民国)も領有権を主張している(久場島の中国名は黄尾嶼。日本でも昔は黄尾島と呼んでいた。中国は、尖閣諸島を台湾省の一部と見なしている)。日本側から見ると、中国の漁船は日本の領海(領土である久場島から12海里=22キロ以内の海域)に侵入して違法に漁をしており、日本の刑法上の公務執行妨害で逮捕した。しかし中国側から見ると、中国台湾省の一部である島の沖合いの中国領海内で、操業中の自国漁船が、外国当局である日本の海保に捕まった話になる。(台湾・中華民国から見ると、自国の宜蘭県の一部である黄尾嶼で、中華人民共和国領内に属する漁船が日本の海保に逮捕された話になる) (久場島の地名図

 日本では今回の事件を機に、マスコミなどで、尖閣諸島に領土問題があることを認める人を非国民扱いする風潮が一気に高まった。台湾人(中国人)の血が入っている蓮舫大臣が「尖閣諸島は領土問題」と言ったので「政府の方針と違う」と大騒ぎになり、蓮舫は発言を修正した。産経新聞のウェブ記事は、この件を「一転して発言修正」と揶揄的に報じたが、その記事には「このニュースのトピックス:領土問題」というタグがつけられており、笑える。 (蓮舫氏「尖閣諸島は領土問題」、一転「わが国固有のもの」と発言修正

 米国では、この事件についてウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)が9月12日に興味深い記事を載せている。WSJは右派なので「日本が正しく中国が悪い」という記事を出してくれたかと思いきや、そうではない。米国のクリントン国務長官が口先介入して中国を怒らせた南シナ海の南沙群島問題に続き、東シナ海の尖閣諸島問題も火を噴いたという意味の「中国のもう一つの領海紛争」(The Other China Sea Flashpoint)と題する記事だ。 (The Other China Sea Flashpoint

 同記事は「日中間には1997年に定めた漁業協定があり、尖閣諸島の周辺では、日中の漁船が自由に操業して良いことになっている。そのため、なぜ日本の海保が中国漁船を立入検査する必要があったのか不明だ。海保は、中国漁船がぶつかってきたのだと言っているが、日本の海保は、98年や08年に台湾や香港の船を沈没させるなど、攻撃的な行動をとった多くの前科がある」と、日本政府の言い分に対して懐疑的な姿勢をとり、隠然と日本を批判している。「日本は、軍事台頭する中国に警告を発したつもりかもしれないが、逆に中国や香港、台湾の反日運動を結束させ、燃え上がらせ、逆に、日本にとって危険な結果になるかもしれない。中国政府は、トウ小平の時から尖閣問題をこじらせぬようにしてきたが、中国人の反日感情に押され、日本批判を強めざるを得なくなっている」とも書いている。

▼尖閣周辺は漁業協定の範囲外

 WSJが書いている「97年の漁業協定」とは、97年に締結され、2000年に発効した日中漁業協定のことだろう。しかし、私が調べたところでは、日中漁業協定には、尖閣諸島周辺の海域での操業に対する取り締まり権について、何も決めていない。ウェブで読める、日本語で書かれた研究論文にも、97年の日中漁業協定について「尖閣諸島周辺に関しては、暫定措置水域を設置するという形で妥協的な解決がはかられた。暫定措置水域内では、いずれの国の漁船も相手国の許可を得ることなく操業することができ、各国は自国の漁船についてのみ取り締まり権限を有する(§7)」と書いてある。だが、私が調べたところでは、これも不正確だ。 (日中漁業協定概説

 97年締結の日中漁業協定(正式名:漁業に関する日本国と中華人民共和国との間の協定)の原文を見ると、第7条で暫定措置水域が定義されている。だが、その水域は北緯27度以北である。北緯25-26度にある尖閣諸島の領海は、暫定措置水域に含まれていない。北緯27度線は、尖閣諸島より100キロほど北にあり、尖閣諸島の周辺の排他的経済水域(半径200海里=370キロ)の北辺は、日中両国の漁船が自由に操業できる暫定措置水域に入るが、今回、海保が中国漁船を拿捕した尖閣の領海内は、暫定措置水域の外にある。 (漁業に関する日本国と中華人民共和国との間の協定

 尖閣諸島周辺の、北緯27度以南の東シナ海(東海)は、そもそも97年の日中漁業協定の対象外である。協定の第6条(b)で除外されている水域にあたる。97年の前には、1955年と65年などに、日中間で漁業協定(国交樹立前なので民間協定)が締結されているが、そのいずれも、北緯27度より北の海域を協定の対象としている。つまり、尖閣諸島の領海には、日中間の漁業協定が何も存在しない。 (日中民間漁業協定(1955年)) (日中民間漁業協定(1965年)

 日中漁業協定はもともと、1950-60年代に日本の漁船が東シナ海や黄海の中国の沖合の領海間近(ときに領海内)まで行ってさかんに漁を行ったため、まだ貧しく漁業技術が低かった中国側が日本側の乱獲に抗議し、協定が作られた。中国は1958年に領海を3海里から12海里に拡張すると宣言したが、中国の領海近くでさかんに漁をしていた日本側はそれを認めなかった。中国側が日本の尖閣諸島領有に反対し始めたのは、1971年の沖縄返還で、米国が尖閣諸島を沖縄の一部として日本の領土にしてからのことだ。78年に日中平和友好条約を結んだとき、トウ小平の提案で日中は尖閣諸島の領土紛争を棚上げした。 (中国の領海声明に関する外務省情文局長の談話 1958年9月5日

 その後、高度経済成長した中国は、尖閣諸島から東シナ海にかけての海域の海底資源や漁業資源を欲するようになり、92年に海洋法を制定して尖閣諸島(釣魚台)の領有権を盛り込んだ。尖閣の近海に中国の漁船が押し掛けて操業するようになり、東シナ海のガス田開発も始まった。 (尖閣諸島紛争を考える (1996.10.04)

 日本の海保は、中国漁船を監視する巡視船を尖閣周辺に配置してきたが、トウ小平以来の日中間の領土紛争棚上げの合意もあり、これまで日本側は尖閣領海で、台湾や香港の船を激しく追尾しても、中国の船を拿捕・逮捕したことはなかった。日本も中国も、民間に「尖閣(釣魚台)を守れ」と主張する政治活動家がいても、政府としては対立を避ける姿勢を互いに採ってきた。その意味で今回、日本の当局が中国の漁船を拿捕し、船長を起訴する方針を固めたことは、日本が政府として中国との対立を決意する、対中国政策の劇的な大転換を意味する画期的な動きである。

 今回、日本政府は「漁船がぶつかってきたのだから逮捕は当然。中国政府の怒りは不当だ」と言い、日本のマスコミの論調も同様だ。そして中国側は、衝突の際に海保と漁船のどちらが悪かったかについて、現場に当事者以外誰もいなかったので何も反論できず、人民日報英語版の報道も、その部分は「日本では、漁船の方からぶつかったと報じられている」としか書いていない。中国政府は、衝突時の経緯について反論できず、日本の主張が通っている。 (Arrest brings calamity to trawler captain’s family

 尖閣領海内は日中漁業協定の範囲外だが、外交的に日中間には、尖閣について日中は敵対しないという、トウ小平以来の日中の了解があった。今回、日本側がそれを破棄し、日本の法律を使って中国漁船員を逮捕するという、領有権をめぐる強い主張に踏み切ったので、中国政府は驚き、怒ったと考えられる。

 事件後、中国当局は、尖閣周辺で操業する中国人漁民を保護するため、準軍事部隊である漁業監視船を派遣することにした。史上初めて、日本(海保)と中国(農業省傘下の漁業監視船)の軍事的な部隊が、海上で対峙する状況が生まれる。日中交戦もあり得る事態だ。戦後65年なかった、日本が戦争しうる事態がぐんと近づいた(鬼畜米英の代わりに中国の脅威が喧伝される)。尖閣諸島は、南沙群島や黄海とともに、中国と、米国に支援された周辺国が対峙する、世界的な海上紛争地域(対中包囲網)に格上げされた。 (中国軍を怒らせる米国の戦略

▼米国が前原をそそのかして好戦策?

 今回の件は日本のマスコミで、中国漁船の不法行為を当然の行為として日本の海保が取り締まり、それを不当にも中国政府が非難していると報じられている。しかし従来の日本当局は、中国漁船を追いかけても、追い詰めて逮捕起訴することはなかった。今回の逮捕起訴劇の重要点は、漁船の行為や中国の反応ではなく、中国が怒ることを知っていて逮捕起訴する日本政府の能動的な政治意志である。なぜ今、日本が中国を怒らせるかが重要だ。

 こう書くと、私のところに「従来の日本政府の対応の方が間違っていた。今回初めて日本政府は、中国側に毅然とした態度をとるという正しい行動をした。従来の日本の姿勢を擁護するかのようなことを書くお前は間違っている」という批判メールが来るだろう。だが私にとって大事なのは「何が正しいか」ではない。何が正しいかは、日本と中国で正反対であり、日本人も中国人もマスコミなどによるナショナリズム扇動に乗せられて怒りを抱き、善悪を語っている。怒りや善悪論は、分析をねじ曲げる邪魔者である。

 話を戻す。なぜ日本政府は中国を怒らせるか。まず考えられることは、政官界や民主党内での対米従属派の巻き返しである。昨秋から今春までの鳩山政権下で、沖縄の人々は米軍基地に強く反対するようになり、米国自身も財政難がひどくなり、国防総省が米国外の軍事駐留に金をかけすぎていると、米議会で共和党がオバマを批判している(軍産複合体は共和党系なのに)。今後、不況の二番底が来て米政府が追加の財政出動をしなければならなくなり、財政赤字が増えるほど、米軍を日韓や欧州から撤退させた方がいいという議論が米国で出てくる。そのような状況になっても、日中が戦争寸前の状態になっていれば、沖縄の米軍は撤退せず、日米同盟に固執する日本の対米従属派は延命できる。 (Senator Wants to Cut Overseas Base Construction

 もう一つの考え方は、逆に、米国が日本を中国との敵対に誘導しているのではないかというものだ。3月末の天安艦沈没事件を機に韓国と組んで北朝鮮との緊張を高め、北の守護者になっている中国を怒らせ、ベトナムに肩入れして南沙群島問題で中越対立を扇動しているのと同様の流れである。米国は、韓国、ベトナム、そして日本をけしかけて、中国包囲網を構築している。

 自衛隊と米軍は今年12月、中国海軍を仮想敵として、中国が台湾を東海岸から侵攻した場合を想定し、台湾の東海岸の沖合に位置する沖縄の尖閣諸島や八重山列島の周辺で、日米軍が中国軍の台湾侵攻を阻止するための日米合同軍事演習を行うことを計画している。似たような日米軍事演習は、すでに8月にも沖縄と九州で行われている。こうした動きと、中国漁船員逮捕起訴を合わせて考えると、米国が日本を誘って中国敵視の方向に動かしていることが感じられる。 (US, Japan to hold exercise to recapture disputed isles

 WSJ紙は、菅が民主党の代表戦で小沢に勝ったタイミングをとらえ、今こそ菅は、米国との安保同盟の再強化をやるべきだという論文を載せている。 (Tokyo’s Relationship Anxiety

 日本の方から米国を誘って中国敵視、という動きと考えられないこともないが、米国が韓国やベトナムも誘って広域的にやっている点や、中国に対して敵と味方の両面を持つ曖昧戦略を採る米国を、日本がうまく誘って動かすことの難しさを考えた場合、日本の方から米国を誘うとは考えにくい。日本政府は、英国やイスラエルが米国を動かして失敗しているここ数年の状況を見ているはずだ。

 米国が日本を誘って中国と敵対させている場合、日本側のエージェントとして最も可能性が高いのが、国土交通大臣として海保を管轄し、米国の政策決定者たちと深い関係を持つ前原新外相である。今回、前原は外相になるが、これは日本が中国との敵対を今後さらに強めていくことを意味している。親中派の岡田を外して前原を外相にしろ、という米国から菅首相へのメッセージがあったのかもしれない。岡田は抵抗したが、菅から命じられて外相を下ろされ、代わりに対米従属色が強い前原が外相になった。

 昨秋来、鳩山と小沢から冷や飯を食わされ、中国大使だけでなく、米国大使まで外務官僚ではない人物にされそうになっていた、対米従属の総本山である日本外務省は、前原の外相就任で、一気に息を吹き返しそうだ。初の民間起用の丹羽駐中国大使は早期に辞めさせられるかもしれない。米国の軍産複合体の意を受けた前原は、どっちつかずの菅首相を手玉にとって、青年将校的に、中国を怒らせる隠然と好戦的な反中国政策を次々に放ち、その分前原は対米従属のマスコミにも礼賛され、菅政権は実質的に前原政権になっていく可能性がある。前原がうまく扇動をやれれば、次期首相になれる。

▼中国が強くなってから日本を中国に挑ませる米国

 米国に操られ、近隣の非米大国に対して好戦的かつ自滅的に挑まされるハンサムな若手指導者という点で、前原は「日本のサーカシビリ」と呼べるかもしれない。 (Profile: Mikheil Saakashvili) (米に乗せられたグルジアの惨敗

 米国にそそのかされてロシアに戦争を仕掛けて負けて窮したグルジアのサーカシビリ大統領と同様、前原ら日本の対米従属派の新たな中国敵視戦略が長く成功するとは考えにくい。後ろ盾である米国は、国債を中国に買い続けてもらわねばならない。ガイトナー米財務長官は、人民元を切り上げない中国を批判する一方で、米企業が中国市場で利益を出さねばならないので中国を非難しすぎてはならないとして、中国制裁法を可決して米中貿易戦争をやりたい米議会のやり方に反対している。 (Geithner Takes Middle Ground on China

 米国は、中国と敵対しつつも交渉し、米国企業を中国市場で儲けさせる体制を維持している。だが、新しい日本の中国敵視策は、米国のような柔軟で巧妙な戦略ではなく、米国の言いなりで中国を敵視して米国に先兵として使われ、米国が引いても日本は引けなくなっていて、米国企業は中国で儲け続けるが、日本企業は中国から制裁されて終わる結末になりかねない。天安艦沈没事件で米国にそそのかされ、底の浅い証拠だけで北朝鮮犯人説を突っ走った挙げ句、中露や自国民から反発され、北朝鮮との融和策に戻ろうとして、ますます政局混乱に陥っている李明博大統領の韓国が、米国から先兵として使われて失敗した先例である。

 米国で過激右派のネオコンが台頭したとき、前原は「日本のネオコン」と呼ばれていた。米国のネオコンは深い戦略を持っている。前原がネオコンならば、まだ良いが、前原はネオコンではなく「ネオコンの傀儡」だろう。米国にそそのかされ、日本の政界で権力に登りつめる道まで米国に用意してもらい、いったん権力を取るのかもしれないが、突っ走った挙げ句、最後にはいつの間にか米国にはしごを外され、国家を道連れに窮地に陥る。

 米国のネオコンは「隠れ多極主義」である。彼らは、米国自身とその同盟諸国(英日韓イスラエル)を、軍事偏重の過激策によって自滅させ、中国などBRICと途上諸国が跋扈する多極型の世界を出現させ、新興・途上諸国の経済発展で世界を発展させていく新世界秩序を作ろうとしている。ネオコンの傀儡(表向きは仲間)になるのは、とても危険だ。日本が対米従属をできるだけ長く維持したいなら、前原方式の好戦戦略ではなく、従来型の「いないふり」「私たちは無能なんです」戦略の方が良い。その方が、自滅させられずにすむ。過激に稚拙に一本槍にやって、失敗したらすっぽんぽんの無条件降伏というのは、もうやめた方がいい。

 そもそも、日本が中国に挑むのなら、まだ中国が経済的にも軍事的にも弱かった数年前にやっておくべきだった。実際には、当時の米国は日本が中国と敵対しないよう、歯止めをかけていた。中国が強くなって米国が崩壊寸前になった今ごろになって、米国は日本をけしかけて中国と敵対させている。

▼台湾を守るはずが反日にしてしまう

 もう一つ、日本が中国と敵対するのを迷惑がっているのは、国民党政権の台湾である。日米は「台湾を中国の侵攻から守るため」と称して軍事演習をやるが、当の台湾は、中国と一緒に台湾海峡で仲良く救援・捜索活動の合同軍事演習をやっている。中国は、中央アジアやロシア、インドなど、近年に仲良くなった国々と、軍事的和解策の一環として、相次いで救援捜索活動の合同軍事演習をしている。中国が台湾と仲良くなっていく蜜月が始まっている。 (Cross-strait maritime exercise held

 台湾は中国に取り込まれていくが、同時に中国市場で儲けることを許され、中国の影響圏になりつつある東南アジア諸国とFTAを結ぶことも許されて、中国の傘下に入っても経済的に困らない状況を中国からもらっている。そんな中で日本が、台湾から200キロしか離れていない尖閣諸島で中国と敵対を強め、中国の侵略から台湾を守ってやるといって日米軍事演習を計画している。台湾政府は迷惑し、台湾人が尖閣諸島に抗議行動に行かないように火消しをやっている。 (Activists scale down Diaoyutais plan

 だが同時に国民党は「これで台中の世論を反日で結束させ、親日・反中派の民進党を追い込める」とほくそえんでいるはずだ。共産党と国民党は、かつて抗日戦争のために、2度の「国共合作」をやった。今後、日本が尖閣諸島の領有権を好戦的に主張するようになり、中国と台湾の両方で「釣魚台奪還」の反日運動が高まると、それを機に「第三次国共合作」の雰囲気が台中にでき、台中間の結束が高まる。台湾の独立派はそれを予測し、心配している。 (EDITORIAL : The KMT, CCPs Third United Front

 米国が財政難やドル崩壊などで反中国を続けられなくなって、日本を見捨てて極東支配から離脱するころには、台湾はすっかり中国に取り込まれ、韓国も南北和解・親中国の方向に転換し、東南アジアも中国の傘下に入って落ち着いているのではないか。中国と対決姿勢をとったまま米国に見捨てられた後の日本がどうなると予測されるかは、気が重いので書きたくない。