東京六大学野球:斎藤、まさか…早大“ドラ1”リレーで東大に負けた
【早大2-4東大】佑ちゃんが東大に負けた。東京六大学野球の早大-東大1回戦が2日、神宮球場で行われ、早大は今秋のドラフト1位候補で通算30勝に王手をかけていた斎藤佑樹投手(4年)が先発したが、7回3失点で東大戦初黒星を喫した。2番手で登板した同じくドラフト1位候補の大石達也投手(4年)も失点。早大が東大に敗れるのは05年秋以来、5年ぶりとなった。東大は08年秋の法大4回戦以来、続いていた連敗を35でストップした。
まさかの番狂わせに神宮球場がどよめいた。2点を追う九回1死一塁、杉山が遊ゴロ併殺打に倒れてゲームセット。実に5年10季ぶりの東大戦黒星のショックが大きかったのか。整列を終えたナインはすぐにベンチ裏に消えた応武監督に続き、毎試合後に必ず行う観客席へのあいさつもせずに引き揚げた。リーグ戦通算30勝が懸かっていた斎藤にとっては、受け入れがたい黒星となった。
「申し訳ありませんが、監督と選手は来ません。監督の談話は“また頑張ります。今から帰って練習します”です」。試合後、会見場に姿を見せなかった応武監督らに代わり、談話を発表した早大広報の声がむなしく響き渡った。
すでにヤクルト、ロッテが早々と1位指名を公言し、今月28日のドラフト会議では最大の主役となる斎藤。東大戦は早大史上初の1年生開幕投手を務めた07年春以来、7戦全勝だったが、この日は明らかに不調。高めへの抜け球や、ショートバウンドが目立ちストライクとボールがはっきりしていた。2-0の三回に山越、高山に適時打を浴び同点に追いつかれると、六回には1死一、二塁から舘に勝ち越しの右前打を許すなど7回3失点。「優勝するには落としてはいけない相手。どんな形でも勝ちにこだわっていきたい」と話していたが、リーグ戦35連敗中の相手に足をすくわれ、今季2敗目。防御率も3・91でリーグ10位となった。
ソフトバンクなどが1位指名候補に挙げる155キロ右腕・大石も八回から登板したが、制球が定まらず、無安打ながら2四球に暴投で追加点を与えた。ドラフトを約1カ月後に控えた両右腕の変調ぶりは、各球団の評価にも微妙に影響を与える可能性もある。ロッテの永野チーフスカウトは、斎藤について「いろいろ試行錯誤していると思う。向上心の表れ」とこれまでと変わらぬ姿勢を見せたが、「一体どうしたんだろう?」と首をかしげる他球団のスカウトもいた。
3日の東大2回戦に勝てば、4日にもリベンジ登板の機会はやってくる。修正能力には高い評価を受ける斎藤だけに、次回登板に注目が集まる。(スポニチ)
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東京六大学野球:早大勝ち点3 斎藤が通算30勝
東京六大学野球の秋季リーグは4日、3回戦1試合を行い、早大が東大を破って、勝ち点を3とした。先発・斎藤(4年・早稲田実)が08年秋以来となる完封で、リーグ21人目の通算30勝(14敗)に到達した。
早大は五回2死満塁で市丸(3年・佐賀北)が左越え二塁打を放ち2点を先取。終盤に集中打で突き放した。
斎藤は9月25日の明大戦で通算300奪三振を達成。30勝300奪三振はリーグ6人目で、これまでに江川卓(法大)=47勝、443奪三振=らが記録している。
2日の1回戦で不覚を取った東大を相手に、早大・斎藤が通算30勝を4安打完封で飾った。九回の守りでは、早稲田実が06年夏の甲子園を制した際にバッテリーを組んだ白川が捕手に。そんな“演出”の中で手にした節目の勝利に、「ここまで来たことがうれしい。周囲に感謝しています」と感慨に浸った。
この日の斎藤は、勝利への執念が前面に出た。序盤は走者を背負う場面も多かったが、スライダーと内角低めの直球を効果的に使うことで尻上がりに調子を上げ、1回戦で3点を奪われた東大打線を封じ込んだ。
五回の攻撃では、2死満塁の場面で一塁走者だった斎藤は、市丸の打球が左翼手の頭上を越えた瞬間、「一点でも(多く)ほしかった。最初から激走した」と三塁コーチの制止にも気づかず本塁へ突入。アウトになったが、チームを強く鼓舞した。
30勝300奪三振の達成を、「早くはなかった」と自負心ものぞかせた斎藤。28日にはプロ野球ドラフトも控えるが、次の目標は「(優勝校に与えられる)天皇杯をとること」ときっぱり言い切った。
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斉藤が東大に負けたらニュースだ。勝ってもニュースにならない。