産業間の資源移動
不況だと効率性の悪い企業がつぶれて、新しい企業が生まれ、人材の流動化も進み活性化するという意見
それはまったくの誤解です。よく考えてください。古くて大きな会社ほど、さまざまな資産、その含み益をもっていてなかなかつぶれない。つまりは財務体力があるので不況に強いんです。不況のときにつぶれる会社って古くて効率が悪い企業じゃない。新しいベンチャー企業こそが、資産がないので資金繰りができなくなってつぶれる。
牛丼屋は松屋・すき家・吉野家でアルバイトの給料がほぼ同じです。その反面、新聞社は会社によって全然、給料が違う。自由競争産業では差が無く、規制産業では差がでてくるわけです。
1990年代には不況下でかなりの企業淘汰がなされましたが、そこで何をやったかというと、2010年現在、本当だったら日本を支えていたはずの新興企業をばたばたつぶしたんです。そして、昭和の遺物みたいな企業は、土地の含みなどで生き延びた。
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そうなんだねえ。それで現在がある。困った現在がある。お互いに困っているが現状は誰にも否定しがたい。