水島先生の
『焦らなくてもいい!拒食症・過食症の正しい治し方と知識』
からの引用
摂食障害に人は、病気で苦しんでいるというのに、
治るという事について決して積極的ではありません。
「治りたくない」
とはっきりいう人もいますし、
治る方向に話が進むと症状が悪くなる人もいます。
そもそも、なかなか治療の場に足を向けてくれません。
これはむしろ当然の事です。
「拒食」にしろ「過食」にしろ、
現実生活と何とか折り合いをつけるための形
(「拒食」の場合は、それまでのやり方が通用しなくなった状況。
「過食」の場合は、自分を嫌いだという気持ちが強まる状況)
として病気が起こってきたのです。
そのままの状態で病気がただ治ってしまったら、
苦しい現実生活に再び直面することになります。
意識的にしろ無意識にしろ、治りたいと思わないのが当然です。
摂食障害を治すということは、
「症状をなくす」という意味ではなく、
「症状がなくても現実生活をそれなりにやっていけるようになること」
と定義すると、だいぶ雰囲気が変わると思います。
実際に、摂食障害がその場しのぎではなく
本当に「治る」ときには、そういう変化が必ず起こります。