子宮頸がん妊婦に多発、発症ピーク若年化

子宮頸がん妊婦に多発、発症ピーク若年化
 妊娠中に子宮頸がんが発見される例が多発していることが、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)と兵庫県立がんセンター(明石市)による初の全国調査でわかった。
 出産を終えた50歳代だった発症のピークが若年化し、逆に出産年齢が高くなったことで、発症と出産の時期が重なったことが要因とみられる。
 がんの発見で中絶などに至る例も多く、研究チームは、検診での早期発見を呼びかけている。
 調査は、産婦人科など分娩を行う全国約1500施設を対象に、2008年1年間に子宮頸がんと診断された妊婦の数などについてアンケート。その結果、51%の施設から回答があり、患者数は計162人(平均年齢31・7歳)に達した。70%は早期がんで、子宮を一部切除し妊娠は継続できたが、子宮を全摘し、中絶の対象となった進行期の患者も44人いた。
 国立循環器病研究センター周産期・婦人科の池田智明部長によると、回答を得た病院の分娩数は国内の全分娩数の約半分であることから、妊婦10万人当たり約30人が発症していると推定。この数字は、国立がん研究センターが発表した罹患率ピークの30歳代の35人に匹敵する。池田部長は「妊婦の数字は予想外に高い」と驚く。
(2010年10月16日14時33分  読売新聞)