在宅医療について語る

先輩の先生が在宅医療について語る

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往診すると『先生の顔を見ただけで具合がよくなります』
と言われる
対象は主に高齢者
90歳前後で最後まで自宅でという人のお手伝い
どちらかというと坊さんに近い
90歳や100歳の死の様子を見てきた
地位の高い人、そうでない人、金持ちの人、そうでない人、さまざま
そして早くも人生を悟りつつある
一時の栄華は虚しい
家族に見守られての穏やかな最期が一番である
そのためには配偶者を大事にし
近しい人に感謝し
思い通りの最期を迎えさせてくれる医者を見つけることだ
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まあ、そんな話
まともな顔で話している
吹き出してしまう
配偶者を大事にしって、愛人が常時複数いて複雑なのは有名な話
近しい人に感謝しているかどうか、近しい人は知っている
利用するだけ利用して捨てる
『先生の顔を見ただけで具合がよくなります』というのは
これがあの絶倫先生かと『元気になる』という意味だ
にんにく臭い
寝たきり老人のいる一階の部屋、孫を呼ぶ小さな声
その上の二階の部屋がギシギシきしんでいる
デリバリー