思考だけでパソコン操作 米大学が脳の信号を研究
2010年10月28日 提供:共同通信社
【ワシントン共同】頭の中で思い浮かべるだけでパソコンを操作―。米カリフォルニア工科大の研究チームは、脳細胞が発する電気信号を利用して手を使わずにパソコンを自在に操作する技術に結び付くような脳の働きに関する研究結果を27日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。ロイター通信が報じた。
重度の障害などで意思表示ができない患者とのコミュニケーションに応用することなどが期待されている。
研究では、重度のてんかん患者12人の協力を得て脳に電極を差し込み、電気信号を観察。マリリン・モンローなど有名人の写真を示し、好みの人物を見たときに特定の脳細胞が活性化することを記録した。
脳の反応に応じて写真を映し出したり消したりできる特殊なパソコンを使い、異なる有名人2人分の写真を重ねて表示。このうち1人を強く念じるよう求めた結果、69%の確率で好みの写真を表示させ、興味のない方は消すことに成功したという。
頭の中でイメージしただけで機械を操作する研究をめぐっては、これまでにてんかん患者がパソコンでゲームをしたり、サルの脳神経データを読み取ってロボットアームを遠隔操作したりすることに成功した例がある。