みんな少しはうぬぼれているから
元気も出るし、へこたれないで生きていけるのだと思う
少しのうぬぼれも奪ってしまうならいいことではない
しかしうぬぼれはどれだけうぬぼれであっていいものか
判別は難しい
うぬぼれていても才能があれば
結果としてはうぬぼれではないことになる
世の中は不思議で
そんなタイプの人を起用することもあるので
そしてうまくいくこともあるので
うぬぼれ続けているのも一つの生き方ではある
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謙虚というのも
形を変えたうぬぼれと言えないこともない
自分は謙虚だ、いいぞ、と思ったとたんにうぬぼれになる
しかし自分が謙虚なのかどうか考えたこともないというのは
純真を通り越している
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健全な自己愛を育てるのにもエネルギーが必要だ
そのために愛する人が必要だとも言えるだろう
うちの亭主はすごいと思えば亭主は少しはがんばるものだ
うちの奥さんはできたやつだと思うからだんだんできたやつになる
どうしようもないどん底でも
「あなただから我慢ができるのよ」
と言われれば我慢ができてしまう
それは自己愛を備給されているからだ
現実よりもほんの少しだけ大きな自己像を注入されているからだ
愛の一面はそんなことだ