フロイトは女が自慰するかどうかはっきり言わないとこぼしていたが、400年前のモンテーニュのほうが醒めた目で女を見ていたことが分かる。
「彼女はしばしば誰にも見られないときにする行為をする」
また、こうも言っている。
「女性が激しく、それほど自然な欲望を抑えようと努めるのはばかげている。私は彼女らがいかにも処女らしく、冷静な意志をもっていることを自慢するのをきくと、せせら笑ってやる。もしもそういうことを言うのが歯の抜けたよぼよぼ老婆か、かさかさした肺病病みの娘であれば、頭から信用できないまでも、少なくともそれだけの根拠はある。だが、まだぴちぴち動いて、いきをしている女性がそんなことをいったらやぶ蛇になる。軽率な弁解は事実を暴露するからだ」
おまけに史実からこんな例も持ち出している。
「スキュティアの女は奴隷や、戦争で捕虜にした男を、いっそう自由に、内密に享楽するために、男の目をえぐり取った」
だから結婚して、真におとなになった男は女に純潔を期待しないし、「怒り狂った女は何をしでかすかは誰でも知っている」という恐怖を感じるから、触らぬ神にたたりなしといった具合に、そっとしておくに限るのだ。
「ルクルスも、カエサルも、ポンペイウスも、アントニウスも、カトーも、その他の立派な人々も妻を寝取られた。そしてそれを知っても騒ぎ立てなかった。当時それを苦にして死んだのはシビドゥスという愚か者だけである」
モンテーニュ
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私はほかの一般の人には純潔など1ミリも期待しないが
おまえにだけは期待している
ほぼ私の希望のすべてだ
そのように私のDNAが命じている
おまえが今後生む子はすべておまえの子供だが
それが私の子供であって欲しいのだ
なんという妄執