過食嘔吐ではいろいろと解釈の難しい現象が起こるのだが一番説明しやすいところで言えば大抵が夕方家に帰ってから夕食や夜食で過食してその後嘔吐する朝から昼にかけての生活は保たれていることがあるのも不思議だ
この時間パターンにもさまざまあってたとえば会社にいるうちに会社のトイレで急激に食べて急激に嘔吐するという例も1ケースだけではあるが経験している
背景にあるかもしれない病理もさまざまでパラノイア寄りのものからサイクリックなもの、パーソナリティ寄りのものもある
解離性障害とか多重人格とか昔言われた縦型スプリットとか横型スプリットとかいまではもうきちんと説明できないような話も色々とあった
過食嘔吐人格をBとするとABがかなり分離している人から分離という感じではない人までいろいろこの着眼はあまり普遍性はないと思うしかしあるタイプの人には実によく当てはまる感じはする
ーーーーー別のある例では夜になり過食嘔吐をするのだがそれはきちんと栄養のための食事を摂る前段階とのことだったどうしてもモヤモヤしてたまらなくなりいつものように過食するとああいけないと猛烈に嫌悪感が起こり嘔吐するそうするとすっきりして落ち着き、そこから体のための栄養の食事を始めるおいしいという
モデルとしては低血糖モデルが当てはまりそうだった日中色々と活動して血糖値が低下するそれと共に意識レベルも低下して軽いトランス状態になるそこで急激に食べて血糖値を上げると激しい幸福感に至るしかしその後は太ってはいけないとの感覚が戻り嘔吐する嘔吐することで罪は清算された感覚がありそこからは落ち着いて常識的な食事ができる
低血糖と意識のトランスが伴うなら夕方から少し血糖値を補正しておいて夕方に低血糖が起こらないようにしようと思ったがこれはうまくいかなかった多分仮説が間違っている
ーーーーー性格傾向もさまざまなパターンがあり一概には言えないのだが人格傾向としてはやや強迫的、几帳面、熱中性のタイプが多い
昼の人格は相当高度だがそれと相補的に夜の人格が低下する例もある
男性では夜になって酔っ払ってネクタイを額に巻いたりみんなで裸踊りをするようなものだが女性はそのような機会がないので過食嘔吐で何かの部分を補正しているのかもしれない
忙しすぎると過食嘔吐どころではないというタイプもある
ーーーー治療はたいてい長期に渡る見事に治るという例は少ないと思う
長期に渡る間に心理学の仮説の方が大幅に変化した
精神分析的抑圧理論、精神分析的発達理論、PTSD理論、人格障害理論、発達障害理論と全部経験している人もいる
薬剤もほぼすべて試している
サプリメントなども試し尽くしている
経済的損失は大きい
ーーーーなにより大きいのが自己イメージの低下である根本的なところで自分はダメな人間なのだと思ってしまう
そう思うと自分をささえきれなくなり妄想的になったり感情の振幅が激しくなったり行動の面で不安定になったり最初からあったものではないような不都合な行動もしばしば起こる
ーーーー過食嘔吐しているので親と同居しているとたいていはぶつかっている
別居している場合は大抵は言えないでいる
ーーきっかけとしては痩せたい・太りたくないと思って食事制限を経験したことが多い体重コントロールでかなりの自信を持つそして限界まで頑張りそこに生活のストレスが重なり過食嘔吐が始まる
始まりは中学や高校のことが多いと思う思春期である
このような不都合があるにもかかわらず成績は優秀という人が多いのでもともと優秀な素質の人が多いのだと思う
ーー強迫性障害や強迫性性格で説明される人もいるように思うが私の治療経験の範囲では顕著な特徴とは思えない
ーー日内リズム変動に関係していると思う点はある
そう考えると昼は食べないでいられるというより食べる元気もないのが実際かもしれないそれでも周囲の他人と同じくらいには活動できる
食べないでいられるから健常だと考えてしまうのかもしれない
体内時計と連動して睡眠がうまくいかないと睡眠障害であるが体内時計と食欲が連動しているような例もある
ーー過食嘔吐の原因なのか結果なのか考えてもよくわからないことも多い
ーーむしろ一日中過食嘔吐または拒食に思考が支配されているというならそのような異常があるのだろうと考えられるが
どう見ても一日中ではない
夕方になるとスイッチが入る何のスイッチが入るのか、分からない
そうなると食欲中枢ではなく時間スイッチの問題かと考えたくなる
昼は社会人である夜にひとりになって自分を開放するそのようなイメージが強い
ーー月と連動していると感じている人もいる連動しいるのは月経とも満月とも区別できないがそのような周期はあるらしい
ーー何か他のことに熱中しているとうっかり過食嘔吐を忘れるまたは省略する人もある
過食しないでいることができるんだなと思うがどのようにして何が出来るのかよく分からない
ーー何か周期的な現象のようだがそれが原因なのか結果なのか分からないどちらでもないのかもしれない
最終的な表現に社会的、身体的な周期性が乗ってきているだけなのかもしれない。
ーー過食嘔吐の原因か結果かはよく分からないとしてもストレスを調整して生活を整えることはいいことに違いない
出来る範囲で調整する無理をしている人は多い
無理をしているということは大体の人に当てはまるような気がするどうして無理をするんだろう
ーー明日も無理をしたいから過食嘔吐するのだと言われるとそれもそうだと思う点もある
食べることは母親からの愛情を喜ぶ印であるし今後に備えて食べようと思う前向きな生き方の証拠でもある
なんといっても生きる意欲に燃えていると思うその意欲を消してしまってはよくない
ーー過食嘔吐の人が泣く場合泣いてすっきりしたと語る場合も少なくない
すっきりして次に備える感じはする
ーー報われなさを語る人は多い期待通りにいろいろな達成をしたがいつになったらほっと出来るのだろういつになったら休めるのだろうと語る
もっとと言われて拒否するのでもなく達成してみせるがそのことを喜ぶ一方で疲れを誰かに癒して欲しい誰かにもっと強烈に肯定して欲しい
しかしそのことも結果なのだと思う
ーー現実感を軽く喪失する人はある用語で言えば離人症状
むしろ結果なのだと思う
ーー夜になって少しだけ人格が退行することは関係しているように思う