人間の皮膚

洋服を考えると、いつも洗濯が必要になる

人間の皮膚は良くできている
古い部分が垢になって落ちて、いつも新しい細胞になっている
これは実に巧妙で、どんな技術もこの頭の良さには今のところかなわない
宇宙服なんかも新陳代謝を取り入れて頭のいいものを開発すればいい
ーー
人間はサルみたいに毛皮をまとっていない
これは実際画期的なことだ
皮膚の感覚感度が上がる
実に微細に環境を感じ取ることが出来る
こんなにもダイレクトに他人の肌のぬくもりを感じている動物は多分存在しない
愛撫の意味も他の動物とは違う
直接に神経をなでている感じだ
ーー
ハリネズミという不自由千万な動物がいる
毛が針みたいにとがっているので、温め合おうとすると、傷つけ合う
人間はつるつるの肌で温めあえる。だからとてもいいのだけれど、
精神的に傷つけ合う
こころから針が飛び出しているので、必然的に他人を傷つける
針が短いととても傷つけられる
針が長いと他人を傷つける
針が長いと他人を傷つけるのが辛くなるので閉じこもりになる
針が短いと他人に傷つけられるのでやはり閉じこもりになる
絶対的に適切な長さはない
周囲との相対的な関係でしかない
ーー
つるつるの肌で探すと
クジラとかイルカがそうだ
魚は鱗があるのでつるつるではない
つるつるの肌で愛し合えるからイルカと同じだというので蘇我入鹿だと酒を飲んで言い張って理解されなかった人がいる
イルカのなめらかな肌は実際セクシーだし
未来型のボディ・スーツだ
ーー
こころにとげがあるよりは
皮膚に毛があった方が良かったと思う
ーー
皮膚科が成立するのも
人間の皮膚が特殊だからだ