24時間の活動リズム復活 暗闇飼育のハエに光
2011年3月1日
- 暗闇で長期間飼育されたショウジョウバエでも、光を当てると、昼夜の変化などに応じ24時間周期で活動る「概日リズム」を取り戻すことを京都大の今福道夫(いまふく・みちお)名誉教授らのチームが突き止め、1日付の日本動物学会誌(電子版)に発表した。
地球上のほとんどの生物が持つこうしたリズムが、どの程度暗闇にいれば失われるのかを調べるのが狙い。
ショウジョウバエは昼行性。チームは1954年から約1300世代(1世代は約2週間)真っ暗な中で飼育され続けているものを使って実験。
このハエを3グループに分け、一つ目のグループは12時間周期で光に当てた。二つのグループはそれぞれ3・5時間、7・5時間、一度だけ光に当てた。その後3グループを再び暗闇に戻し、活動パターンを調べた。
各グループとも光にさらされた時間帯を中心に約12時間、行動が活発になった後、鈍くなった。チームは約24時間の周期を取り戻したとみている。暗闇飼育中は不規則に活動していたと考えられるという。
今福名誉教授は「本来持っている体内時計が働き始めるのではないか。人間で言うと旧石器時代の終わりに洞窟に入り、その後何世代も経た後、現世代が光を見てリズムを取り戻したことになる」と話している。