行き暮れて 木の下陰を 宿とせば 花やこよひの 主ならまし

行き暮れて 木の下陰を 宿とせば 花やこよひの 主ならまし
                 平忠度(たいらのただのり)

(ゆきくれて このしたかげを やどとせば はなやこよいの
 あるじならまし)

意味・・行くうちに日が暮れて、桜の木の下を今夜の宿と
    するならば、花が今夜の主となってこの悔しさを
    慰めてくれるだろう。

    一の谷の戦いで敗れて落ち行く途中、仮屋を探し
    ている時、敵方に討たれた。この時箙(えびら)に
    この歌が結ばれていた。

    敗者の悲しみとして、明治の唱歌「青葉の笛」に
    なっています。

    一の谷の 戦(いくさ)敗れ
    討たれし平家の 公達(きんだち)あわれ
    暁寒き 須磨の嵐に
    聞こえしはこれか 青葉の笛

    更くる夜半に 門を敲(たた)き
    わが師に託せし
    言の葉あわれ
    今はの際(きわ)まで
    持ちし箙(えびら)に
    残れるは「花や今宵」の歌

 注・・行き暮れて=歩いて行くうちに暮れて。


*****
平忠度(たいらのただのり)はさつまのかみという役職で、
だから電車のキセルをさつまのかみと呼んだものだと古い人が書いていたと思う。

最近は平家物語を読んでいるし
さっき須磨の人に紹介状を書いたところだ

xx (245).jpg