ある女性の話を要約すると
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うちの家族はみんな理系
兄が一人いるんですがすごく優秀で
数学オリンピックとかで一部には有名な人、昔の数学セミナーとかで有名人
私は小さい頃から兄に馬鹿と呼ばれていました
実際そうだと自分でも思っていました
高校とか大学では案外そうでもなくて
家庭の中での激しい劣等感は訂正されました
母がいなかったので劣等感を訂正してくれるのは学校でした
医学部の大学院を出ていま研究職をしています
頭悪いからこのくらいしかできないですが
原子レベルの話、放射能の医療研究とか、そんなことのお手伝いをしています
いまはリチウムの脳に対する効果の研究です
ちょっと時代遅れになりつつあるんですが
いい鉱脈ではあるんです
数学は普通くらいにしかできませんでした
いまテレビを見ていて何が楽しいのか分かりません
楽屋裏のことも知っているので
テレビを見てもこのへんにADさんがいてとか
編集はここつないだなとか
テロップ係がミスしてるなとかそんなことを思うし
台本書いた人が新人だなとか分かるので楽しいとかとも少し違う
いつも本を読んでいます
私が読むのはノンフィクション、フィクションはだめ
頭悪い人の無駄話は時間の浪費
政治、経済、宇宙論、物理、化学、惑星の詳細な英語の図鑑、専門の本など
図鑑好きなんです
解説は間違っていたり不十分だったりするんですが
写真とか図はそれ自体で私にイメージの連想を引き起こすんです
わたしはすごいイメージ人間
仕事でもなんでもメモは日本語になっていません
図なんです
三次元メモなんかよく書きます
ぼーっとしているなんてあり得ません
3時間スケジュールがあいたとして、だったら、友達の家に集まって騒ごうとか
そんな感じ
呼んでもいいけれど、自分で動くタイプなので
車ですぐに出かけてその途中で友達に連絡します
楽しいことに吸い寄せられるし
自分で楽しいことを作って遊ぶ
ヨット、お料理、テニス、ライブとか
ヨットに集まった人たちにキャビン・アテンダントみたいな感じでやってあげるのが得意で
自分でも天職なんじゃないかと思うくらい
ヨットの中で小さなディナーショーなんかの体裁でやったこともあるんです、言ってて照れますが
テニスで知り合ったお医者さんとはいま喧嘩していて
もう別れると言われた
僕は決めたら頑固だと宣言されている
困ったけど
でも少しすればまた仲良く出来るかな
私、保守派だし、ある程度社会的自分に自信があるので、安売りはしません
キスまでが2回くらい、それ以上は自分が安く見られたみたいでいやなんです
そんなのが欲しいんなら、他にどうぞと言えます
人並みにファンタジーはあるんですが、そんなことで傷つくのもレベルが低いし
私の今の年収と学歴と、まあ、顔は可愛くないですが、スタイルもたいしたことないですが、総合すると、
釣り合うかそれ以上な人はそんなに見つからないので
今の人は大事にしたいですけどね
私の経歴とか見てずいぶんすごい人と付き合ってきたんだろうとか、思われちゃう
なんでか知らないんですが、外見は派手目なんですね
釣り合いとか、ほんとうは私は気にしないんですが相手が気にするんです
ある種外国の人はそういう尺度がないから付き合いやすいんですがね
あの人達は東洋人とひとまとめですから、なんというか、分かってませんね、
わたしは彼らを選択できません
もちろん愛情が先ですがそれだけだと続かないです
経験から言って
好きって言うだけの価値って
それしかない人達の価値観ですよね
わたしはそれ以外にたくさんひき出しがあるから
それだけにしがみつかないでいられる
恋愛の価値観はコマーシャルベースのもので
何もない貧しくて愚かな人でも単に性的に成熟するだけで
一発逆転できるという幻想ですね
わたしにとっては
好きだから全ていいでもないし
嫌いだから全てだめでもないし
そんなふうに醒めているところがあるんです
職場にいる人は勤務時間関係なしの医学系研究職ばっかりで
心底こういうことが好きなんだなと連帯感を強く感じます
楽しい感じを共有できています
生きがい、使命、仕事の義務、収入、達成感、そのあたり何の矛盾もなくていい職場です
ほどほどにいいからやめられないし
男性も仕事辞めてついてこいなんて言えない
資産があれば別なんですがその場合はその人に魅力があるわけではない
徳川の四代目ではなくて
わたしは秀吉くんが好きなんです
私に仕事やめろというのはやっぱり頭悪い人なんです
それはだめ
その人の自己愛ぶりが見えてしまう
私に仕事辞めて付いてこいと言えるほどの人でないと私は満足できないし
実際にそういう実力があって、私のことを幸せにしたいと真剣に思うなんてありえなくて
男性に充分な分別があれば、私のキャリアを中断しようなんて思わないはず
アラブの富豪でもだめだと思う
もう見つけられないかもしれないと思います
女性はね、やはり結婚で自己拡大を企画しているんですよ
等身大の自分で在り続けるなら
一人でいたほうが安心確実
寂しいとか不安とかでくっ付くのは私は趣味じゃない
私を150%くらいに拡大してくれる男性とか現実にはいるはずがなくて
ここ、矛盾なんです
父は一人でいるんです
母は私が小さい頃に死んでしまって
父が育ててくれました
近くに親戚がたくさんいて共同で育てられた感じ
祖母もおばも優しくてあまり心理的に不自由はありませんでした
愛情の問題とか感じませんでした
医師とか薬剤師の資格を持っている人が多くていろんな知識を教えてもらった
私にすれば誰でもこうなんだと思っていたら
学校でいろいろ勉強してみると普通は違うんだとだんだん分かった
父とか兄とかがベンチマークだとだめだろうなと私は思うんですが
葛藤はいろいろありました
兄に負けは認めつつも、私は私でとか思って必死でしたし
父にしてもいまから思うとそれでいいと思えるんですが
子供の頃の不満は『みんなと同じにしたいのに、どうしてしてくれないのか』
というようなことでした
合理主義とエリート主義なので
『いいことはいい』『お父さんの言うとおりにひとまずやってみなさい、結果を検討して、訂正しよう』
という正しい科学者ぶりなんですが
子供にはなかなかきつかったです
結構優等生なのに兄とかと比較されると程々になっちゃう
理系とか医学系とか、『みんな違ってみんないい』なんという甘えた精神はないんです
どれが本当にいいのか
実験して決着つけようというわけですから
患者さんが治るかどうか全部結果は出る
それが次の決断の指針になる
それは大人の論理としては分かるんですが
子供の頃は『みんな違ってみんないい』という精神でいいのじゃないかと
思います
子供って結局愚かですから訂正する側です
訂正続きだと結構傷つく
父とか兄とか頭悪い人の痛みが分かっていないと思う
そこが私の不満の原点かもしれないです
母がいたら、2対2で対抗できたかもしれないです
お弁当を可愛くしてもらうとか
なにかかわいい刺繍してもらうとか
そんな小さなこと
父とお料理していると理科の実験室みたいなんです
実際試験管とかビーカーとか使っていましたし
アルコールランプのゆらゆらするのが好きでした
父は自分でフレグランスの調合もするんです
顕微鏡の使い方を教えてもらったりしました
完全にプロの道具を最初から使いましたから
それは初期教育としては理想的だったと思います
はさみとかメスとか解剖用の最高に切れるものでした
手入れの仕方が大事で刃先を研ぎながらいろんな話を聞きました
兄と一緒に
考えて見れば兄のほうがと年上だし優秀だしで
私は不利な立場なんです
せめて私が姉で年齢で有利だとかだと少しは楽だったかも
いろいろと議論すると実験してみようということになって
親だから正しいとか子供だから言うことを聞けとか
誰が言っていたから正しいとか、そんなことはまったくない
自分で実験して確かめようという精神です
実験できないことはいい加減なことなんだし言葉で主張することもできないのだと父から何度も教えられました
百科事典の間違いを見つけるのが私たちの趣味だったんです
楽譜の間違いを発見するとか
どうせ人間の作ったものだから信用しない
信用するためには実験したい、実験の方法を見つけられたら偉い
そんな家族の雰囲気
知識を共有するのではなくて
考えが正しいかどうかの確かめ方を話しあうみたいで
ちょっとメタレベルの家族なんです
兄にはかなわないんですが
兄は早く結婚して子どもが三人
可愛いし奥さんもなんというか『女性』
私とは違う領域の生き物
父は再婚しないんです
今でも毎月、母のお墓にお参りに行っています
私も愛はそういうものだと思います
そんなこと考えてたら結婚なんかできないでよね
わたしは性的にもあまり不満はないし
男性に心理的にも経済的にも依存することもないんです
むしろ男女問わず周りの人を幸せにしたい
なにか欠落があればそれを満たそうとするのかもしれないけれど
わたしはこれで充分幸せかなと思えるし
幸せと言っても自信満々でもない
父とか兄を見ていると優秀人種はこうなんだなと痛感させられる
私なんか普通にこじんまり生きられれば充分なんだと
それはもうしみじみ感じる
まあ、バカでよかったというか
ほどほどでいいと思える
祖母とかおばの楽天的な女性成分なんでしょうね
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こういう父のような男性を女性は求めているのだろうと思う
しかし実際にはたいていの男は単純で、女性より精神年齢が10歳低い
男性の永続する愛着は、戦場の戦士同士の友愛である、またはホームズとワトソンである
ワトソンくんが何度もホームズ氏に愛を告げる
しかしホームズ氏は分別をわきまえ、仕事が大切なので、もちろん、それは仕事の上での愛なのだと諭す
ところがあるときある状況でホームズ氏は愛を受け入れると告白する
君をずっと愛していたと告白する
そして愛が完成する
そのような『永続する愛の誓い』を『女が書いて女が読んでいる』スラッシュ小説
私は男だけれど個人的には『永続する愛の誓い』を求めているので、中身は女性に近いのだろう
と思う