コンパニオンさんに話しかけられ

パーティに行って、
やはりコンパニオンさんに話しかけられ、
精神療法的に対応しているのだった。

彼女らは、ほとんど女性で構成さされている派遣会社で、
携帯で連絡が来て、指定の日時に、
仕事をするかどうかを返事すればいいのだという。
その点では自分で自由にスケジュールを決めていい。

その人は4月には京都に花見で1ヶ月東京を留守にするというから、
宴会シーズンの東京の春には申し訳ないけれど、
こんな年があってもいいでしょうと言っていた。
秋には黄葉の京都を見て過ごしたとのことだった。

しかしあまり断っていれば、次の仕事が回ってこないから、
そこは上手にやらなければならない。
一応受けておいて、個人的に、別の人に回したりもする。
会社としてはそれでもかまわない。
別の個人ルートからの、そんな話を受けたりもする。

勤務時間も長くない。
宴会時間が近くなったら、
お化粧をして髪をセットして、
衣装ケースを抱えて、
ホテルの坂を登る。
それがわたしたち。

友達が、携帯も解約して、もとの住所には誰もいなくなって、
急に消えるんです。
ぜんぜん連絡がつかなくなる。
そして、また急に携帯番号を送ってよこして、
「帰ってきましたー!」なんていっているんです。
何ヶ月くらいかな。
心配するほうがばかばかしいと最近は思っているんですが、
彼女には彼女なりの悩みがあって、
悩みが限界になると、行方不明になるようです。
こういう人には何て言ってあげたらいいんでしょうか。
専門の人に相談したいと思っていました。

先生の新橋のクリニック行ってもいいですか?
第一ホテルの隣だったら、とても便利なんです。
わたしはホテルでの宴会のコンパニオンだから。
先日も第一ホテルでコンパニオンやったんですよ。

コンパニオンさんで患者さんいません?

旅行は京都のほかにも、国内が好き。
海外は、香港や台湾くらいで、もう決まったあたりしか行かないんです。
遠いのは面倒で。なじみの方がくつろげるんですよ。
友達同士で、日帰りなんかします。
スケジュールを一日だけあければいいわけだから。
いまは韓国も日帰りできるし、国内のイチゴ狩りとか好き。
りんご狩りはおなか一杯になっちゃいますね。
りんごはおなかがふくれちゃう。

わたしは都内で親と同居だから、お金はあまり関係なくて、
自分の旅費を貯めている程度です。
結構おもしろい仕事ですね、いろんな話を小耳に挟む感じで。
話というより、単語ですかね。
この人はそろそろ帰るぞとか、そんな言葉にアンテナを張っているんです。
頼まれるのは土曜日が多いな。
11,12月と、3,4月くらい。会社の何かの都合があるんでしょうね。
決算期とか、年度替りとか。

おもてなしの仕事だから、
いろいろとマニュアルがあって勉強するんですよ。
役に立ちます。
応用がいっぱいあって、楽しいんです。

どの業界はどんな感じとか、
まず偉い人からお酒やお食事をおすすめするんですけれど、
どの人が偉い人なのか、
きちんと見分けるとか。
その場を支配している人っているんですよ、
その周囲3人くらいに、差別なく、同時に、サービスする感じ。
間違えたらいけないコツがあるんです。
お料理も、順番があるし、肉や魚はお年によって量も加減して、
デザートは量が少ないので、少なめに早めに回します。
お酒の種類も量もちょっと難しい。
高いお酒をたくさん回してもいけないし。

男性は嫉妬心が強いから、
自分より優先されたと感じたくないんですね。
だから、何人かに、なんとなく同時にサービスして、
後回しにされたと感じないようにして、
笑顔も、なんとなく均等に分割するんですよ。

最近は、奥さんのほうが不倫しているらしいですね。
「別れてやる」とか騒いでいた女性が電車にいて、
聞くつもりはなかったんですが、不倫しているのはその人らしいんですよ。
ああこんな世の中なのかなと思いました。
わたしはおくてだからだめなんです、そんなことは。
会社も女性ばかりで、家に帰っても、家族がいて。
仕事に来ると年配の人ばかりでしよう。

バイアグラを処方しているんですか。
あの青い薬。
最初のころは、実は持ってるんだよとか、
結構話題にしていたようですね、みなさん。
パーティで結構盛り上がっていました。
実物を見せたりしていました。
女性としては、少し、目を伏せてという感じでした。
最近はもうあまり話題になっていないようです。
普通になったということなんですね。

時々眠れない日があって、
お酒を飲んだりします。
いけないんですってね。