伝統的な精神医学では
うつ状態を鑑別するときに
反応性成分
神経症性成分
うつ病・躁うつ病的ビターレな成分つまり内因性成分
の三つくらいを指標にして、
それぞれがどのような状態で関係しているか
見ていたような気がする
失恋して悲しいというときは反応性のうつが起こっているわけだが
ほぼその範囲で説明できるものなのか、
あるいはその範囲で収まらず
神経症性成分または性格因性成分が大きく影響して病像を形成しているのか
あるいはさらに
内因性成分が影響しているのか、
鑑別する
これはこれで大変合理的で識別力も高くよい診断体系であったと思う
失恋してどのくらい悲しむかは
その人の人生を通じてのその人の標準的なストレス反応の程度を
知らなければならない
そうでなければ今回の抑うつ反応がうつ病性のものかどうかは
知ることができないはずだ
その人の背景となる環境や取り巻く人間たちの雰囲気というものがある
その人にとっての標準的な程度を大きく上回って抑うつが起きているならば
うつ病的な成分が混入しているのではないかと疑うことになる
神経症性・性格因性の成分は一生を通じてそんなに大きく変動するものではないから
大人になってからは判断しやすくなる
内因性の成分に関しては
昔ならば了解可能性で考えるのだが
もっと広くその人の人生をたどることで得られると言っていいのだろう
昔はそんな感じでうつ病について理解していたものです
まるで伝統芸能ですね