湾岸戦争の年 タヒチ
今でも 洗面所 には
香ると バニラ の 匂いがする小さな石鹸 が ある
箱には ゴーギャンの絵が描かれている
1991年 2月
海外旅行自粛ムードの中
お世話になった方の ひとり娘が タヒチに行くことになり
心配だから 同行して欲しい と 頼まれた
旅費 は 全額 もってくれる という話である
行きますよね
お嬢さんは 一回り年上だった
こちらは 旅費の負い目もあり ボディガード気分である
見た目にも 異質な ふたり連れだが パワーバランス は 明らかだ
タヒチの黒い砂 原色あふれるマーケット 働く女たち 木陰で涼む男たち
モーレア と ボラボラ は 白い砂 夕日が美しい
タヒチには ゴーギャンのレプリカしか ないのだという
残念 に 思った
スコールを彷彿とさせる雨に ふと 記憶がよみがえったようだ
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タヒチのうつ病はどんな風だろうかと思う。
国際的なうつ病診断基準が難しいのもよく分かる。