発症と経過の様式は統合失調症に似て、
症状の内容はうつ病に似るものがあり、
不思議だと思う。
統合失調症で起こる、長期の崩壊性の病理が、
おもに感情の領域で起こっているものだろう。
反応性に行為障害が起こる場合がある。
またジャクソニスムの原理により衝動コントロールが低下する場合がある。
一般に、
長期崩壊型は主に知性の領域で起こり、
反復回復型は主に感情の領域で起こる。
何故かはよく分からない。
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2008-8-29付記
分からないながらも、
知性は長期持続するものであり、当然障害が起これば長期にわたって次第に崩壊するのではないかとも思う。
短期に知性の障害が起こるならむしろ意識障害の形をとるのではないか。
また、
感情はおおむね持続は短い。楽しい気分も長くは続かない。悲しい気分も日常のあれこれに紛れて過ごしてしまう、だから崩壊があるとすれば短期であり、生活をしていれば楽しいことも悲しいことも反復するのだろうと理解することはできる。
長期に感情の障害が持続するとしたら、それは知性の領域の持続的な障害に関係した結果の症状なのではないかと疑うのだが、どうだろうか。
付記終わり
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遺伝性があり、
二十歳代で軽度の発症、
三十歳代で本格的に不適応、
性格構造はメランコリー型。
その人の場合、行為障害はなく、衝動コントロールはむしろ良好である。
長期崩壊性感情病とでも言うべきものである。
この場合、長期崩壊性を病理の現われと解釈すれば、
統合失調症の中で、考えることになり、
感情面での現在表出を重く見れば、
感情障害の一型と解釈することになる。
脳のどこの場所で、どのような変化が生じているかを表現すれば、
脳の病気はもっと単純明快に整理できるはずである。
あと50年位か。
長期崩壊性病理が全面的に展開してしまえば、
早発性痴呆になる。
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自閉症、アスペルガー、高機能自閉症、広汎性発達障害などの言葉で
表わされている一群は、
幼児期から小児期に発症し、進展はしないが、正常発達がないことによる欠損症状が徐々に明らかになるタイプである。
本質的な病理の進展はないが、正常発達の欠損が症状そのものになる。
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認知症の系統は、最近さかんに検討され、
どの場所でどんな病理が起こっているかを表現する方式になっている。
病理は、老年期に入り、比較的急速に進行し、機能停止に至るものが代表的である。初老期に発症するものもある。進行は病理によって違いがある。
45歳くらいを境界にして、若年期に発症するものも考えられるが、その場合には複雑な補償回路が働くようで、老年期のような崩壊性の病理とはならない印象を持っている。うつ病の状態を呈する場合もあり、性格障害型の行為障害を呈することもある。
病理の実際は、アルツハイマー型変性、脳血管型変性、ピック方変性、レビー小体型変性、アルコール型、プリオン型、などが知られている。
もっとも典型的で、医学が範型としているのは、梅毒による脳変性である。
脳変性の場所と進行程度により、いろいろな症状が起こる。
症状解釈の原則は、ジャクソニスムによる。
脳の階層構造を考えれば、病理の発生した場所以上の機能については、
失われ、
それ以下の機能については、抑制と統合が失われるため、突出することになる。
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どの機能がどのように障害されるかを表現すればいいので、
気分領域反復回復型
気分領域単発回復型
気分領域双極反復回復型
知性領域長期崩壊型
対人領域幼児期発達障害型
などを代表とすることができる。
これを
前頭葉ピック型
と言ってしまうと、ちょっと分かりにくい。