- 挑発的なアバターが10代の少女を危険にさらす
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オンラインで挑発的な画像を掲載している10代の少女は、性的な誘いを受け、誘った人物と実際に会う比率が高いことが新しい研究で明らかにされた。研究著者である米シンシナティ大学小児病院メディカルセンターのJennie Noll准教授は、「(インターネット上では)挑発的な露出の多い服装が頻繁にみられる。性犯罪者が最初に目をつけるのはそのような画像である」と述べている。
インターネットを利用する若者の55%が「Facebook」「MySpace」などのソーシャル・ネットワーキング・サイトに登録しているという。今回の研究では、14~17歳の少女173人がアバター(avatar、ウェブサイト上でユーザー自身を表すキャラクター化された画像)を作成するとともに、インターネットの利用、薬物乱用、友人関係および性的行為に関する質問表に記入した。69人は性的・身体的虐待やネグレクトを受けた経験はなかったが、104人には虐待の経験があった。アバターはバストやヒップのサイズ、服装、へそにつけたピアスの数などに基づいて、「挑発的」から「保守的」までランクを付けた。
全体の40%がオンラインで性的な誘いを受けたことがあるとし、26%がオンラインで知り合った人と実際に会ったことがあると回答。虐待経験のある被験者はどちらにも該当する比率が高く、挑発的なアバターを使用する比率も高かった。「受信側だけでなく、発信する側の行動にも注意する必要がある」とNoll氏は指摘している。この報告は、医学誌「Pediatrics(小児科学)」オンライン版に5月26日掲載された(印刷版は6月号に掲載)。
今回の結果は、アバターではなく実際の写真を使用するサイトにも当てはまる可能性が高い。別の専門家も、「ティーンエイジャーの飲酒や薬物乱用と同様に、このような問題についても絶えず監視を続ける必要がある」と述べている。Noll氏も、親の不在がインターネットでの不適切なコミュニケーションの最大の問題で、親は子どもの利用するサイトを定期的にチェックし、子どもが誰と話して自己をどう表現しているかを知り、子どもと話をするよう助言している。