先入観と思い込み

僕ら=世間は、あふれるほどの情報のなかで、いろんな先入観と思い込みで、目の前に居るひとを見ていると思うんですね。でも、僕の本を見たたくさんの人が、彼ら彼女の思いに触れて、いい意味で裏切られるんですよ。自分の言葉できちんと自分をしゃべっているし、社会全体が破滅に向かって行きそうな中でもなんとか生きたいと思っている。どんな17歳も、人生を投げてはいないですから。学校に行っている子も、行ってない子も。

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先入観というものは確かにある。
たとえば優等生を見ると勉強ばかりしているのだろうと思い込む。
先天的に勉強が分かってしまう人のことなど、たいていの人は知らないだろう。

先入観と言うけれど、
結局、自分の基準で見てしまうと言うことだ。

野球部は自分の得意な野球で他人を測定する。自分が物差しなのである。
それは仕方のないことで、原理的にそれ以外に物差しなど考えられない。

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僕らは、偏った情報のなかで生きているということを、この本を見ることでわかってもらいたいなというのは一つの思いとしてありますね。いかに世間に流れている情報というものが、流す側の都合で供給されているというのがこれでわかると思う、それと17歳を、社会を生きているパートナーという意識が欠落していて、消費の対象にしか見てないから、情報がかたよるのだと思いますよ」

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情報を流す側の都合、消費の対象としか見ていない、このあたりのことは、消費社会、コマーシャル社会という下部構造があって、それが大人たちの上部構造を決定していて、子どもたちのそのような側面しか見なくなるということだ。