SL広場の近くでクリニック

新橋のSL広場の近くでクリニックをやっていると

日本人の平均とはずいぶん違う集団を見ていることになる
新橋の第一ホテルの脇を用もないのに散歩する人はいない
渋谷とか青山とは根本的に違う
みんな仕事に来ている 最高に緊張している
その仕事の内容も みずほ、NTTはじめ 各企業の 管理部門である
そのような人たちの中に 軽い認知症が混じると これはかなりくっきりと目立ってしまう
お年寄りの多いクリニックでは このような 効果はないだろうと思う
逆に 軽い認知症疑いを診察して 今日のわたしのような違和感を感じているということは
普段わたしの接している 集団が どのように特殊なものかを示しているのだろう
たいていは 自分のことを説明して A4一枚に すっきりまとめることができる
能力が低下していると行っても、その程度は充分に残っているのである
つまり、不調とは言え、平均的知能よりはずっと上なのだ
外資金融に生きる対人関係の世界、M&Aの世界に生きる疲れと消耗感、
通信密度を飛躍的に上げる研究をしているメンバーの間で起こっている心理的事件、
8丁目的報われなさと割り切りの人間観、
モデルと写真家の関係、
テレビ局的不条理の世界、
医学書出版担当の涙、
青山で店を張る緊張、銀座で店を維持する三代目の苦労、
合併ですぐに名前が変わる会社、ぎりぎりの不動産屋、
ちょっと目が届かなくて部下が100億円の損を出したあとの処理を一日でする総合商社、
仕えない大臣が来た時の役所の苦労、
毎週一人ずつハリウッドスターのインタビュー記事を書いている記者さん
銀行で、この部門に来たと言うことは、出世は終わったと言うことかと、周りにもられるつらさ、
国際企業特有の、英米育ちと東南アジア育ちの抗争、
実に濃い世界である。