- 「イライラする」若者60%超える…国民性調査
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仕事や生活が原因でイライラを感じている20歳代、30歳代の人が増加し、60%を超えたことが16日、大学共同利用機関「統計数理研究所」の全国調査「日本人の国民性」でわかった。
増加傾向は1993年調査から続いており、同研究所は「バブル崩壊後に続く景気低迷の影響」とみている。職場の人間関係を見直したり、家族を大切にしたりする傾向もうかがえ、閉塞(へいそく)感を覚えつつ、心のよりどころを模索する今の国民像が浮かぶ。
調査は1953年から5年ごとに実施。今回は昨年10~11月、20~79歳の6400人を対象に調査した。回収率は52%。
「この1か月間でイライラしたことがある」と回答した人の割合は、20歳代が63%(前回2003年比6ポイント増)、30歳代が62%(同)と初めて60%を超えた。40歳代の57%(前回比9ポイント増)を含め、過去15年間で最も高い数字だ。これに対し、50歳代から70歳代までの世代は30~40%台だった。
イライラ感は、バブル崩壊後の93年から98年の5年間は全世代で増加していたが、03年以降、50歳以上の世代はほぼ横ばいにとどまっており、若年世代のストレスの大きさが浮き彫りになった形だ。
また、バブル期に70%を超えていた「生活水準は良い」との回答は今回、49%(前回比1ポイント減)と過去最低を更新。「今後貧しくなる」は57%(同10ポイント増)と過去最悪だった。
人間関係について、「仕事外でも上司との付き合いがあった方がいい」とする回答は、高度成長期の73年調査の72%から98年調査では55%と大幅に減っていたが、今回は20歳代65%、30歳代63%と復活。好きな上司として、規則を曲げても無理な仕事をさせるが、仕事外でも面倒見の良い「人情課長」タイプを答えた人も25年ぶりに増加して81%(前回77%)だった。
心のよりどころを求める傾向は全世代共通でみられ、一番大切なものに「家族」をあげた人は過去最高の46%(前回比1ポイント増)。「あの世を信じる」は第2回調査(58年)の2倍近い38%だった。
(記事提供:読売新聞)