身を捨てて ゆきやしにけむ 思ふより 外なるものは 心なりけり 

人をとはで ひさしうありけるをりに あひうらみければ よめる
身を捨てて  ゆきやしにけむ  思ふより  外なるものは  心なりけり 凡河内躬恒
ある人を訪問しないで久しくなっていた時に、夢で逢い、それまで逢わなかったことを悔やんで詠んだ
体を離れて勝手にこころが行ってしまったようだ、
本来思ったことより外にあってコントロールできないものは心なのだな
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体を離れて心が勝手に行ってしまいました 
思いのほかの強さであなたを思っていました ということだろう
あひうらみければ がいまひとつ不明であるが お互いに恨みに思って ということだろうから
逢わなかったことを悔やんで つまり、強く思い出して、
ということではないだろうか。
そうとしても、「あい」が分からない。
わたしはあなたを強く後悔と共に思い出した というなら意味は通じるが
あひうらみければ というので よく分からない。
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体を離れて心がゆくというのは 夢の場合に使いそうだけれど
あひうらみければ を 「夢で逢い、後悔した」とすれば
意味が分かるのだが。