妊婦さんへの新型インフルエンザ・ワクチンが始まっているようだが
妊婦さんは血液でつながっている場所に
免疫的には「異物」を抱えているので
そもそも免疫系が弱くなっている
だから感染症にかかりやすいし免疫反応が成立しにくい
従ってワクチン接種して抗体を作っておこうというわけである
ーー
しかしこうして文字にしてみると、
免疫ができにくいから
ワクチンを打つというのもなんだか理屈に合わない点もある
ーー
しかし、うっかり免疫能力を向上させてしまうと
胎児を攻撃してしまう場合もあるだろうと思う
だから能率が悪くても、免疫系向上よりは
ワクチンの方がいいのかもしれない
ーー
妊婦がインフルエンザに罹患した場合に、
胎児にどんな影響があるか、
糖尿病、精神病、その他いろいろな、複合的因子により成立すると考えられる疾病について
胎児期に母胎の感染がなかったか調査されている
インフルエンザの大流行の時期と生年月日をクロスさせて拾えば
大きな傾向はつかむことができる
母胎は平気だったが胎児に影響が出るという可能性はある
ウィルスの直接の影響、
ウィルスによる副産物の影響、
ウィルスに対する母胎の反応物、たとえば抗体の影響、
それぞれが複合して胎児に影響する
ーー
マタニティ・ブルーは常に観察されていて
理由については
心理的な側面で母子葛藤の再燃とか、未解決の幼児期体験の影響などと言われる
これを
ホルモン系・免疫系との関係で考えていいかもしれないと
生物学的な観点からよく言われる
ホルモン系が変動するのは明らかだし
栄養系も変化している
さらに免疫系はやや抑制されているのは確かだと思うのでそれも影響するだろう
その連想から、
うつ病の一部では免疫系の異常があるのではないかと昔から議論になってきた
アトピーの人が一般割合より多いのではないかという印象はないでもない
うつ病の時期に風邪を繰り返す人は少なくない
引きこもっていれば感染しないように見えるがそうでもない
ーー
またうつ病の傾向だった人が妊娠してうつ病が軽くなることがある
これは妊娠によって免疫系が抑制されて、
その結果、うつ病が軽くなったのではないかと推理することもできる
うつ病の一部は免疫系が強いから成立するもので自己免疫疾患に近いのだとの話もあり
妊娠して免疫系が抑制されればうつがよくなるのはその証拠であるという
またアトピーなどがしばしば観察される
一部のうつ病では免疫系が弱いことが原因だとも言われ、
実際感染症にかかりやすいと言われている
免疫が強すぎる場合と弱すぎる場合と、両方の場合にうつが起こるというなら
何も言っていないのにも似ているが
うつには実は二種類あるのかもしれない
神経系はもともと外部の信号に対しての反応系であるから
免疫系と似ているはずだ
皮膚と神経はどちらも外胚葉由来である
ーー
進化論的に言えば
うつ病は不適応のサインであって、
適応を改善するためには
遺伝子の変更が必要であり
そのためには免疫系を弱くして
外来遺伝子の導入を図ることが能率のよい戦略となる
従って
不適応と免疫低下は関係があると推定する根拠があるかもしれない
(もちろんこの点についての広い合意は得られていない)
私見では血液睾丸関門の防御が弱くなるのだと思う
その結果としてDNA断片の組み込みが促進される
広範なウィルス感染症は進化論的に説明しにくい一斉同一方向変化を説明してくれるだろう
飛べないけれど羽のようなものがあるコウモリは長い間は存続できないだろう
比較的急速に同一方向に変化したはず
ランダムな変化の中から選択するというのでは説明できない部分を
ウィルス感染症が説明すると思う
(もちろん合意の全くない私見)
一見すると、不適応の場合には、栄養が低下するので、感染症にかかりやすくなる。
そのことによる生命の危機から守るために免疫系が強くなるのがよいように思うけれども、
現実には免疫系は弱くなるわけで、
弱り目にたたり目である
しかしその場合に外来の遺伝子を受け容れて遺伝子の変更がしやすくなるので
進化の促進には好都合である
ーー
一般に適応がいいと変化を嫌うようになる
今のままでいたいと思うものだ
適応が悪い方が変化を求める
保守派と革新派はそんな側面もある
変化を嫌っているうちにいつの間にか不適応になってしまう
そしてかなり大きな変化を始める
ーー
いつも同じように変革の運動をしている人たちもいる
世界を変えるという主義がいつまでも変わらない人たちで
結局態度としては同じで
一番変わらない人たちかもしれない