痛みの域値

医療の一大分野は痛みを取り除く技法である

考えてみると神経伝達をブロックすれば必殺技なのだけれど
それでブロックできないのが心因性の疼痛で実際に少なくない
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痛みをどの程度に感じるかもちょうどいいセッティングがあるはずである
あまりに敏感でも良くない。それは辛すぎる。
あまりに鈍感だと組織を破壊してしまう。それも良くない。
しかし痛みの域値を調整することは有用な技法である。
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心の痛みも医療の大切なターゲットである
こちらは神経をブロックして終わりというわけにはいかない
心因性疼痛の親分みたいなものだろう
圧倒的に多くは他人のこころに傷つけられる
ただ仲良く暮らせばいいように思えるがそうでもない
これは、食料が足りなかったときに、縄張りを設定して、他者を排除し、食料を確保した名残りだと思う
食料が足りても
まだなお世界には希少資源の取り合いがある
たとえば異性の獲得はまさに希少資源の獲得である
いつでも仮想のピラミッドが形成されているので希少である
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心の痛みに鈍感な人と敏感な人がいる
ただ単に鈍感敏感でもない、質的な差もある
典型的には被害的になったり、悲観的になったり、誇大的、自己否定的とか
他人の心を傷つけても平気な人は実際にいるもので、仕方がないような気がする
他人に傷つけられず、むしろ傷つける人は世の中である程度、生きやすい
生きやすいからだんだん増える
たぶん、ますます増える
殺し合いをすると減少する
戦争がある社会では傷つけて平気な人たちが殺し合う
戦争がない社会では傷つける人の割合が増え続ける
限界を超えるとやはり戦争をしたがる
だから戦争を防ぐには痛みの域値をコントロールしてみるのも方法だと思うが現実的ではない