国債残高を何とかしなくてはというたびに
経済危機だ
失業だ
年越し派遣村だ貧困家庭増加だと大合唱が起きて
結局
借金を続けている
これが父親のいない社会の現実である
子供がアイスクリーム食べたいとぐずると
母親は
ハーゲンダッツを食べさせてしまうのだ
いくらでも借りられるのだし
金利は低いままだし
当分危機感はないのだろう
そのかわり、この国債がある限り、金利を上げることも出来ないだろう
インフレで借金を軽くする作戦は金利上昇以上の猛烈な物価値上がりが必要なので
実際の話、難しそうで、どうしてもしばらくデフレのようだ
お父さんに怒られるわよと子供に言って抑制しようとする母親が1万人に一人くらいはいそうだけれど
子供の方が、そんな父親はいないことを知っている
家族、地縁、血縁には頼れないことを知っている
隣の他人には関心のない社会なのだ
にもかかわらずと言うべきか、だからこそというべきか、
国がきちんとしてくれるのだという理由のない妄想を抱く
国民が家族も地縁も血縁も頼らず国に頼る状況は
財政担当者としては好都合である
徴税がしやすくなる
消費税を上げる場合にも理由が出来る
国民の声だと言える
一方でそのようにして集めた税金の使い道は権力の源泉となる
ここから先はチラリズムの世界で
チラチラとほのめかしながら
決して全面的に満足させることはない
そうすると国民はますます依存性を高めていく
自分でなんとかしようなんて誰も思わない
日本国というグレート・マザーが存在する限り、
小さな父親に頼って破産するよりは
グレート・マザーのおっぱいを吸っていた方がいいのだ
ーー
国債を規律なく増やし、なし崩し的に、刹那的に、現在を取り繕う方式が
日本的母性社会の一面である
これは江戸時代の大奥の有様だろう
だれも何も稼ごうとは思わないし節約しようとも思わない
(下々に節約を強要したことはある)
自分たちが最終の消費者であり享楽者である
だれかが渋いことを言ったら
ひとわめきすればいいのだ
それが大奥の権力である
目標は自分磨きであることも現代と同じである
ーー
ところで、グレート・マザー・日本はすでに破産していると
誰かが決定してくれないものか?
これからしばらく父の原理で生きてみようじゃないか。