普天間問題

1995年、沖縄駐留海兵隊員3名が、沖縄の12歳女子をレイプした。
アメリカ側は日米地位協定を盾にして、3人の犯人の身柄引き渡しを拒否した。
沖縄県民は怒り、基地を取り囲むなどして抗議した。
日米政府は「普天間基地の返還」を提案した。
1996年の「SACO合意」では、普天間飛行場の名護市辺野古への移設が日米間で合意された。
しかし名護市の住民投票で移設に反対する住民が大多数を占めた。
軍用ヘリが大学に墜落したり、アメリカ兵による凶悪犯罪があった。
もちろん土建屋とか商売人の一部は賛成した。
1996年の「SACO合意」から2005年10月の「日米同盟:未来のための変革と再編」までは、
辺野古への移転も検討されていた。
しかし、2006年5月の「再編実施のための日米ロードマップ」で米軍の方針が変わり、
沖縄の海兵隊が全部グアムに移転することになった。
海兵隊のグアム移転は司令部中心ではなく、沖縄海兵隊の主要な部隊が全部グアムへ移転する。
普天間飛行場の海兵隊ヘリ部隊も含まれる。2006年以降、その方針通りにすべてが進行している。
ところが、米軍にいてもらいたい自公政権と防衛省は、2006年から3年間、ひたすらこのことを隠し続けてきた。
国民にも、沖縄県民にも、明確に説明しないままだった。
2009年11月20日に、これまでアメリカが進めて来た計画に沿って
「沖縄からグアムおよび北マリアナ・テニアンへの海兵隊移転の環境影響評価/海外環境影響評価書ドラフト」をアメリカが公開した。
ようするにグアムに行くのは決定で、グアムもアメリカも準備でできたとの報告だ。
これであわてたのは日本の政治家だった。
そもそも、当初、アメリカ側は、辺野古に移転するとしても、長さ45メートルのヘリパッドだけを要求していた。
どうせ移設するなら巨大な滑走路を造って大儲けしようと考えた自民党、防衛省(当時は防衛庁)、軍需専門商社、土建屋は、
アメリカ側の要求の何十倍もの計画に膨らませた。これが、総工費5000億円とも言われてる現在の巨大滑走路計画だ。
「アメリカ政府が普天間飛行場の名護市辺野古への移設を望んでる」ということにして、5000億円計画が進められてきた。
ところが途中からアメリカは長さ45メートルのヘリパッドだけの他はもう何もいらないのだと言い始めたので、
小泉政権時代に「演習用の滑走路」として造ることにした。
現在の日本政府の説明は、ヘリ部隊だけを沖縄の辺野古へ移設して、他の部隊を岩国だとか別の基地へ移動させて、
司令部だけをグアムへ移転させるという計画らしい。それで軍として機能するのか全く怪しい。無責任な日本政府の言いそうなことだ。
しかしアメリカは2007年の時点で「全部グアムに移転」と決めていたので、要するに問題は、
日本政府が円収容の滑走路として5000億円の工事をするかどうかになった。
防衛問題でもなく国際問題でもない、日米問題でもない。ただ土建屋の利益である。
鳩山総理、岡田外相が、すっぱりと、グアム移転で決定、それはマニフェストに書いてあるとおり、と言わないのはなぜなのだろう。
「海兵隊は『抑止力』として必要」とか「日米安保条約があるから」とか、言うけれど、
アメリカ自体が、もうグアムがいいと言っているのだから、どうしようもないのではないか。
献金問題とかいろいろと絡みがあるのだろうか。
中止は困る土建屋勢力がいて、粘っている。
そして、それを見て、鳩山政権を困らせてやろうとする自公勢力が、
土建屋を応援して、日米関係に悪影響などと、的外れなことを言っている。
というところまでを頭に入れて、
テレビで何かインタビューに答えている政治家の顔を見ていると、
嘘つき加減と不誠実加減がよく分かって面白い。
税金を山分けすることが政治なのだと信じている政治家がまだまだいるということだ。
それくらいなら、母親から毎月1500万円程度のお小遣いを貰っていた鳩山兄弟の方が
まだ性質としてはいいではないか。