過食・嘔吐20091228

過食・嘔吐を考えるときに、
他のどんな症状と併存しているか、
あるいはどんな症状と交替しているかについては
参考になることが多いと思う

食行動の異常という点ではやはり拒食との関係が問題になると思う
過食・嘔吐の人の症状の歴史を聞くときにはやはり
拒食の時期がなかったかを落とさずに聞く

すると典型的には、
まず小学生や中学生の頃、太っているといじめられた、またはいじめられそうになったことがあり、

気になったのでダイエットをしてみたらすごく痩せることができて
これはいいぞと自分に自信がついたことがあった
しかしそのあとストレスのかかったときに過食をする癖が始まった
太るのがこわかったので吐くようになった
最初は指などを突っ込んでいて指には吐きだこができた
次第に何も口に突っ込まなくても吐けるようになった
吐いたあとで激しく後悔して
またカロリーの計算もして最低限のものをカロリー補給のために食べておいたりしている
などというようなストーリーが語られる

太りたくない、ダイエット、痩せ願望、太る恐怖、吐くことの後悔、いろいろな要素がある

この場合には、ひとつの解釈として、ストレスに負けないように、食べて防衛しようとする、
しかし、食べることは同時に太って惨めになり非難される危険もある、
つまり痩せてストレスに負けてもいけない、
太って仲間の中で惨めな境遇になってもいけないという
ダブルバインドになっている。
どっちに行っても勝利はない。
その微妙な中間にだけ妥協点がある。
若い頃は、痩せている方が元気で活動的で、生理なんか来ない方が活発に動けるという時期がある。
実際アスリートたちは極度に脂肪を落としているので、
生理が止まってしまっていることが多い。
この背景にうつ病、躁うつ病、統合失調症、人格障害などが存在することがある。

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分かりやすいのは躁状態で過食となりうつ状態で拒食となるとの観察であるが、
過食と嘔吐がセットになっているところを見ると、
躁状態でなぜ嘔吐になるのかという問題は残る。
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またもう一つ典型的なのは
症状の併存で、それは自傷行為である。
リストスカー、カット、アーム、その他、各部分。人体に施す各種の変形。
あるいは血を出すこと、痛みを感じることで、生きている実感を蘇らせる。
酒を飲むときに「もっと強く元気になるぞ」と思う人もいるのかもしれないが
「もっとダメになってやる」と思って飲む人もいるのだと思う
新橋のサラリーマンは焼鳥屋で多分、「もっとダメになってやる」と捨て鉢な気持ちで飲んでいると思う。
そうでなければ、得体の知れないものを、得体の知れない酒で流し込むなどできるはずがない。
新橋の酒飲みは自傷行為だろうと思っている。

銀座での酒飲みはそれなのの金を払っているので
体にいいものを食べさせてもらっているかと言えば大きな間違いで、
値段が高いのは土地代が高いからであって
食べ物の原価は近くの肉のハナマサで調べたら分かると思う

やはり自傷行為としか言い様がないものである
泣きながら過食をするというケースも多い
自罰のひとつの形なのだろう
血や痛みを欲しがる点でマゾヒズムに通じる
これは食べる・食べないの葛藤に悩むタイプではないように思う。
もっとメカニカルに食べて吐いてを繰り返している。
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新橋の酒だとダメなのかもしれないが、
どこかの高い酒なら、自信を蘇らせてくれて、気分を楽にしてくれるのかもしれない。
そのもっと確実なものが薬剤である。

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ペット動物の場合に
食べ吐きはないという
老人性認知症になってからあと、過食する例はあるとのこと
むしろ、食事は飼い主がコントロールできるので
過食にはならないのだという