生きることの無意味さに対抗するひとつの方法は
永続する価値を信じること
たとえば芸術の価値を信じること
しかしそれも
太陽系が終わり地球がなくなって元素のゴミになったとき
たぶんそのことを観察する主体さえいないのではないかと考えられている
生きることの無意味さに対抗するひとつの方法は
集団化である
わいわいやっているうちにたいていのことは忘れられる
忘れられないなら一緒に酒を飲んで歌い笑う
いや、忘れられるまで、飲んで歌い恋をする
しかしそれは忘れる方法であって解決する方法ではない
かといって
何をしても無意味だから最初から何もしない方がいいとは思わない
もがいてみるのは人間らしい
神様はどうか
神様はもちろんすべての記録を保存していると思う
ただそれを読み返すことはないのではないかと思う
無関心に放置している
神様ともあろうものが人間だけに関心があるとも思えない
それは人間の思い上がりというものだ
神様は神様で忙しいのだろうと思うので無理は言えない