久堅之 雨之落日乎 直獨 山邊尓居者 欝有来
ひさかたの、雨の降る日を、ただ独(ひと)り、山辺(やまへ)に居(を)れば、いぶせかりけり
雨の降る日、ただひとり山辺にいると、うつが来ちゃった。
大伴家持
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違うよ、うつだから山にいったりしたんだよ。
誰がしたことか知らないが、
雨の降る日に と読まず、
雨の降る日を と読むあたり、
心惹かれる。
山辺に居れば は
山辺に居るは がいいかもしれない
欝有来 については
うつが来ちゃった と素直に訳せば通じるだろう
いぶせしとあれば、それはいぶる(燻る)に通じるのであって、
煙ってすっきりしないのであろうが、
うつの気分と少し違う。
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ひさかたの雨落つる日にただ独り 山辺に居ればうつうつうつ