正月明けの憂うつ

今年はお正月が長かったので、
勤務開始が非常に億劫だったという人が多い。
大変多い。
わたしもとても億劫。
刑務所から一時釈放されたのに、また刑期続行という感じ。
小説「懐かしの庭」を思い出している。

くすんだ人生をいつまで続けるのだろうと
茫然とする。

「!」
と楽しいことを思いつきたい。
思いついたらそのまま実行したい。
人生なんて、そんなものだから。
生きたいように生きていいんだよ。

そう思いつつ、いま流れているのは、
フィッシャー・ディスカウの「冬の旅」で、
実に気分に合っていて、
希望に合わない。

フィッシャー・ディスカウがもう最後に歌うという「冬の旅」を
NHKが字幕付きで流したことがある。
ビデオに取り損なってそのままだ。
「衰えた声」といわれたが、
わたしは聞いていて涙を流していた。

ピアノの会の人が、数学的なピアノを弾いて、
彼は連弾を希望したのだが、
いろいろあって、遠回しにだけど、断られて、
だれも付き合ってくれなかったそうだ。

何かの現象も、
それを感覚する人、表現する人がいて、
やっと完結するというのも、
分かる気がする。
不合理な表現だけれど。