有名人とある種のアドバイザー

週刊誌記事から

野球解説者の与田剛氏の不倫騒動が明らかになったのは、相談をしていた占師との金銭を巡るトラブルがきっかけだった。なぜ占師なのか? 当たるも八卦、当たらぬも八卦。そうとわかっていても信じたくなるのが、有名人たちの定めというものらしい。

 NHK「サンデースポーツ」のメーンキャスターを務める野球解説者の与田剛氏(44)といえば、元TBSアナウンサーで今もフリーで活躍している木場弘子さん(45)の夫としても有名だ。その与田氏が妊娠と中絶を伴う泥沼の不倫劇を繰り広げていたことが、「週刊女性」などのスクープで発覚した。不倫自体は4年ほど前のことだが、相談にのっていた占師から金銭を要求されるトラブルになっていたことも新たにわかってきた。不倫相手は、大手航空会社に勤める30代の客室乗務員だ。05年末に妊娠が発覚し、06年春に中絶した。

 ある芸能記者が解説する。

「与田は野球解説者としてのイメージや子どもの中学受験を理由に挙げて、『いずれ妻と離婚して再婚するから』と約束しながら中絶を求めた。でも、その後で女性と距離を置き始めたため、与田との結婚を望む女性が占師の海龍(かいりゅう)に相談した。男も見てみないとわからんということから、与田と海龍の間でも話し合いが持たれたそうです」

 それから3年余り、与田氏は木場さんに不倫の事実を隠していた。その間に海龍氏が請求する「相談料」が膨らんでいったらしい。

 芸能関係者が言う。

「海龍は与田が別れられるよう相談にのり、『彼女は3千万円を求めてるが、何とか1千万円に抑えよう』などと話す一方で、女性には復縁できるとアドバイスもしていた。与田も一時は海龍を通じて示談金を払おうとしたが、女性と連絡を取ったことで海龍の双方への働きかけが判明。昨年9月に『相談料』として800万円前後を請求されたため、観念して妻に打ち明けた。その後に弁護士と相談しながら、脅迫に当たるとして海龍に警告書を送ったそうです」

 

 800万円の根拠はよくわからないが、テレビや雑誌などでも名の知れた海龍氏のホームページを見てみると、対面での相談は1時間5万円だと記載している。事務所に電話をかけてみると、当の海龍氏が出てきて、こう語った。

「これは昨年10月、相手(与田氏)の弁護士と話し合って終わった問題です。だから何を書かれようが、反論は差し控えます。ただ、占師の役割というのは、弁護士にも相談できないことでも仲介に入って円滑にうまくやることでしょ。雨降って地固まるじゃないけど、クライアントが幸せになってくれればいいなと思っています」

 木場さんの所属事務所に取材を申し込むと、

「もうお話しすることはありません」

 とのことだった。

 海龍氏は99年にハワイで開業し、もとより客室乗務員らに人気があった。03年に帰国後は雑誌やテレビに出演し、有名人の相談者も増えたらしい。08年に川島なお美の婚約をテレビで予言して的中させたとして話題になった人物だ。

 芸能人はなぜ占いに群がるのか。

 芸能リポーターの梨元勝氏がこう解説する。

「芸能界は実力だけでなく運も必要な世界だから、縁起をかつぎたくなるもの。精神的に不安定な人が多く、人に言えない秘密も多いから、つい相談してしまう。有名人の相談を受けてるとわかれば、占師も客が増えるから、実際には情報が漏れるケースもある。『心づけだけで』と相談料を明示しない占師もいて、それでも有名人だとそれなりの額を出すから、あまりトラブルは表には出てこない。むしろ占いにのめりこんで振り回されてる人が多く、見ていてかわいそうになる」

 のめりこまず、気休めくらいに楽しむべきだということは、今回の一件を知らずとも明らかだけど。

本誌取材班
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経済力のある人が占い師や宗教関係者、人生のアドバイザーに大金を払って
つまらないアドバイスをもらうのはよくある話だ。

社会的に成功してお金を儲けたけれど
これから先も続くか分からなくて不安になる様子
自分に確固としたノウハウがあれば
何かにすがる必要もないのだけれど
偶然にうまくいったという程度のノウハウしかない人も多いし
そもそも親のコネだったという人も多いわけで
そんな場合には必然的に「お金で買える何か」に頼りたくなる

そこで不安に着目した商売人が活躍することになるということらしい

たとえば手品師は
次も手品がうまくいきますようにと
占い師に頼ることはない
手品の仕掛けが分かっているからだ