そうは言っても、恨みをさらりと流すことは人間には難しい。
忘れることができれば一番いい。
忘れるためには現在を充実させること、
現在を幸せにすることだ。
つらい言い方になるが、
過去の恨みにいつまでもこだわっているということは、
現在が幸せではないからなのだ。
現在が幸せなら
世界は違った現れ方をしてくるものだ。
その通りだ、あのときの仕打ちで、あなたは今も苦しみ、幸せに遠いのだった。
しかし待って欲しい。
ここから新しいスタートをしようではないか。
あの人たちという悪い人たちもいた。
しかし悪い人ばかりではない、よい人たちも世の中にはいる。たくさんいる。
それが救いではないか。
熱い涙を理解してくれる。
あなたを真に理解してくれる人をひとりでも増やしていこう。
それが人生の仕事ではないか。
その中には、今のあなたのように、深刻な恨みに打ちひしがれた人もいて、
あなたが慰める役に回るだろう、
その時、説得力を持って、
人生はその先にあるのだと言えるようにしようではないか。
恨みは消えないだろう。
しかし、人生はその先にある。
アルツハイマー病の人は、
恨みさえ忘れてしまう。
恨みをさらりと流すことも忘れることも難しいのは分かる、
だからひとりでやってごらんとは言わない、
協同でやってみようじゃないか。