認知特性と経済成長

努力は報われるか、報われないかという議論があって

結論は
全体が成長しているときは各人もある程度報われるので
努力は報われると感じる人が多くなる
全体の成長がなくなる、または縮小すると
成功する人の割合は少なくなるので
努力しても報われないと感じ
結果として福祉制度の充実を望む意見のほうが強くなる
努力は報われるという古典的な価値観を維持するためには
社会政策として成長を持続する必要があるのだが
若年人口割合が急激に減少する今後の日本では不可能であると判定されている
そうなるとそこから派生して
人生は報われない
他人は悪人が多い
社会は冷たい
東京は乾いている、砂漠だ
などの否定的な認知が優勢になる
じゃんじゃん儲かっていれば
東京は花の都で
有楽町は恋の街だ
こうした否定的認知の原因が経済成長の鈍化にあるとすれば
人間の認知とはなんだろうかと
また立ち返って思ってしまう
農業経済の時代の倫理と
工業経済,そしてその後の情報化社会における倫理
さらに少子高齢化,イノベーションの停滞などがもたらす倫理
などというように、昔の言葉でいう、下部構造が上部構造を決定するという事情はありそうである
労働は美徳で
労働を通じて自己実現するなどと思うのは
経済成長時代に基本の価値観を身につけた老人の思うことなのかもしれない