女性版バイアグラの研究が前進
女性版バイアグラが実現に一歩近づいた。英国を拠点とする研究グループが、女性の性的興奮障害に有効な新しい治療法開発の糸口をつかんだことを報告した。
製薬会社ファイザー社のチームは、女性の性的興奮の根底にあるプロセスを解明しようと雌の実験動物を用いた試験を行い、骨盤神経の電気刺激によって生殖器への血流が増大することを突き止めた。さらに、実験薬UK-414、495を動物に投与すると、この効果が増進されたという。この薬剤は、性的興奮時の血流増大に重要な役割を担う化学的メッセンジャーの分解を阻害するとされる。
女性が性的に興奮すると膣、陰唇および陰核への血流が増大し、各器官が膨張して膣が弛緩するほか、膣の潤滑が増加し性器が敏感になる。「これまで、このような変化を制御するプロセスについてわかっていることは驚くほど少なかった。性的興奮に関与する経路が明らかになり始めた今、FSAD(女性性的興奮障害)の克服に有効な方法を突き止めることも可能であると思われる」と研究者のChris Wayman氏は述べている。
FSADの女性は、性的興奮が困難になり、生殖器が刺激に反応しなくなる。年齢を問わず、最大40%の女性がこのような症状に悩んでいると研究著者らはいう。Wayman氏は「今回の研究で検討した特定の化学物質が開発を進めるのに適していると裏付けられたわけではないが、この研究が将来的に製品の開発につながる可能性がある」と述べている。この知見は、英医学誌「British Journal of Pharmacology(薬理学)」4月13日号に掲載された。
[2010年4月14日/HealthDayNews]