患者さんの「本当の利益」は
やはりむつかしい
今日の利益と10年後に振り返っての利益も違うだろうし
患者さんの価値観の構造がある程度わかり(つまり過去が形成する現在)
さらにそこに精神病理がどの程度関わっているのかを理解し(病気)
現在進行している事態を勘案し(現在)
さらに現在進展しつつある状況で何を学ぶかを予測し(未来)
その上での「本当の利益」であるから
容易ではない
誰に分かるだろうか
ひとつの方法は
アドバイスする側の立場と限界をきちんと説明して
最終決定は本人にあることを確認しすることだろう
しかし
それは明示可能な範囲のことであり
意識の範囲外で起こる一般的な「影響」については
必ずコントロールしきれない部分が残る
価値判断の材料を提供することと
価値観に影響を与えることは
別のことだけれど
簡単に分けることもできない
ーー
そんな場合
共通の神などの上位概念があれば
多少は整理しやすいが
日本ではそうも行かない