病気を社会学的に見ると
貧乏な人から広まり全層に拡大するものと
富裕な人から始まり全層に拡大するものとがある
貧乏な層から始まるのは
なんといっても感染症だ
低栄養とか重労働、住環境の不衛生などが関係する
知能の遅れが放置されるのもこの階層である
富裕な層から始まるのは
糖尿病とか痛風とかそんなものだろう
統合失調症の遺伝子については
時間がたつと社会経済的階層(socio-economical-class)の低層化が見られると
ずっと昔のアメリカの教科書に書いてある
たしかにそうだけれど
もっと長期にみると
結局どの家族もその遺伝子は持っていることになり
お互いに入れ替わっているだけのようだ
最近話題になる発達障害については
富裕層から拡大したとの意見がある
見解はいろいろとあって
たとえばMRと言われていたものが
富裕層ではその診断を嫌い、新しい診断に飛びついた
その結果として、LDとかPDDは富裕層から拡大したように見えるとする説
富裕層が受診する病院には
翻訳して何か新しいことを言わなければ商売にならない人も多くいて
結果としてそのようになったとする説
またたとえば
富裕層の方が学力や社交性について要求水準が厳しいので
見つかりやすかったという説
昔の田舎の学校ならLDでもPDDでも、そんな子はいるものだとして片付けられていたとする説
一方では、
都会的な新しい生活スタイルが子供に影響を与えていると考える人も多く
胎児期にたばこ、アルコール、違法薬物の影響など。
帰国子女が関係しているとか。ほとんど陰謀説に近いものまで。
また食生活のことを考えると富裕層から拡大した食習慣も多いので
たとえばファストフード、肉食、輸入系お菓子、輸入系ドリンクなど
怪しいものがいくつも挙げられる。
怪しいものはみな、時間とともに庶民の好物となっている。
妊娠適齢期の女性の体内に入るもの、蓄積するものを数え上げると
いくつもある。
ウィルス系では子宮頸がんを引き起こすとされているパピローマ・ウィルスがあり、
これは複数のパートナーとの性交渉により危険が増すと言われていて
セックス・スタイルの変化が問題になる
この系統のものもいくつか推定できると思う
またたとえばテレビとか音楽とかも理屈をつけられないことはない
貧しさが原因で始まる病気ならば珍しくはないし
病気撲滅と貧困撲滅が一致するので
まず貧困撲滅が大きな目標になることが多い
富裕から始まる病気は比較的珍しいし
単純に貧困撲滅がいいわけでもないし
なにより一部は企業活動と連動しているだろうから
難しい面もある
たとえばたばこ
しかしそれでもこんなにも長寿なのだから驚くが
富裕層から貧困層に拡大した何かが原因らしいと考えて
いろいろと議論はつづいている