いろいろな解説があるのだが
とても単純化して図式的に言うと
ADHDでは先天的な前頭前野の機能障害がありそうで
ストラテラ(アトモキセチン)が効くと報告されている
従来の薬であるリタリン(メチルフェにデート)やコンサータ(メチルフェニデート徐放錠)は
脳の報酬系と実行機能系の両方に効いていたので
報酬系の部分では依存に関係する
実行機能部分だけに効かせて衝動性を抑制したいわけで
それがストラテラということになる
実はこの部分が問題で
ADHDの本質は報酬系部分の障害にあるとする説では
ストラテラでは本質部分に効かないことになる
一方で実行機能系が問題だとする説では
ストラテラがぴったりということになる
そして依存性がないのが大きな利点である
ADHDでは中核症状と周辺症状との両方に治療的に配慮しようと言われている
中核症状は「不注意、多動性、衝動性」とまとめられていて、薬物治療が第一選択、
周辺症状は対人関係不全、抑うつなどで、これはカウンセリングが第一選択と言われる
SSTなどの手法が有効であり「ペアレントトレーニング」や環境調整も大切である
ーー
ADHDで機能不全が推定されている脳の部分は
進化の歴史の中で一番新しく付け加わった部分のようで
理屈から言うと当然一番壊れやすいし形成不全もあるはずと言われている
その観点からは
全般に脳がダメージを受けたときもそこに症状が現れやすいと考えられる
ーー
薬剤の長期の使用結果がどのようなものになるか
検討が必要である