前作『精神科セカンドオピニオン―正しい診断と処方を求めて』刊行後に急増した相談者の約90%が、大人から子どもまで、発達障害を見逃され、「統合失調症」と誤診されていた人たちでした。
現在「統合失調症」とされている人たちのほとんどは、発達障害の二次障害・三次障害であるのに、それを見逃され、「統合失調症」と誤診されている可能性があります。
また、不登校、虐待事例(愛着障害)、PTSD、解離性障害、強迫性障害、うつ状態、躁状態、精神病様状態、アルコール依存症、パーソナリティ障害などの背景にも、発達障害があったことが発見されています。
発達障害に気づけば診断・治療は変わります。向精神薬の多剤大量処方から脱出する道筋が見えてきます(発達障害は本来病気ではないのですから、薬物療法が必要なくなることもあります)。
本書では、発達障害に気づき誤診・誤処方を避けるためにはどうすればよいか、患者・家族・医療者が体験と知識を伝えます。患者・家族による体験記のほか、医師と患者と家族が一つの体験記を共著するという新しい試みも生まれました。
≪目次≫
▼第1編 適正診断・治療に至るまでの体験記
第2編 発達障害に気づき誤診・誤処方を防ぐためのサポート情報
発達障害、自閉症スペクトラムとは
発達障害と薬物との関係を考える
発達障害の二次障害への処方例
発達障害の二次障害に効果がある漢方薬
レポート
高機能の広凡性発達障害サポートの現場から
精神科看護師が見た精神医療の今
遠い夜明けへの旅路に寄せて
著者について
適正診断・治療を追求する有志たち(当事者、家族の方々のお名前は匿名とし掲載しておりません。):
内海聡(医師)、越智元篤(看護師)、清水誠(医師)、田井みゆき(精神保健福祉士)、冨澤佳代子(臨床心理士)、長嶺敬彦(医師)、早川正樹(医師)、広瀬隆士(ケースワーカー)、三吉譲(医師)、笠陽一郎(医師)