苦しい認知の脳回路を一時停止して別の脳回路を使う

実際に治療効果を統計的に実証できる精神療法として

認知行動療法と対人関係療法があると紹介されている
統計研究の方法として
どのような患者さんにどのような精神療法を施行するかが大切なところで
そこで間違っていると有効にはならない
どのような患者さんに対してというのもひとつの要因だし
どのような治療者がというのもひとつの要因だろう
臨床経験1年目と20年目と40年目の治療者で効果が同じとも思わないので
あまりに大雑把な話も間違いだろう
ストレスに感じることがあっても
酒を飲んで一晩眠れば一応乗り越えられるという人もいる
その場合には何が起こっているのだろうか
薬の効果の一面として
一時的に忘れられるというものがある
薬を飲めば夢を見ないでぐっすり眠れる
いやなことはちょっと忘れて仕事に集中できる
少しの間忘れているうちに
脳の内部で調整が進んで
心の動揺が収まり、決心もついて、割り切りもできるようになる
薬を飲み忘れると
嫌な夢を見て、そのあと考えこむし
憂鬱な気分で、また悲観的な観念に支配されて、苦しむ
薬をのむほど重症ではないから精神療法で治したいと思う人もいるが
こうした現状から言えば
精神療法を必要とするほど重症ではなく薬剤だけで何とかなってしまう
というのも一面だと思う
それは認知を変えるというよりは
認知を一時停止するのに近いと思う
酒とか気分転換とか一般に用いられているストレス対処法は
苦しい認知の脳回路を一時停止して
別の脳回路で運用してみようという試みだろう
薬剤も長期にわたり使用しレセプターのダウンレギュレーションを狙うなどは別だが
短期の効用としては一般のストレス対処法と同様で
苦しい認知の脳回路を一時停止して
別の脳回路を働かせることを助けると考えていいかもしれない
薬を飲み忘れると嫌なことばかり思い出したり嫌な夢を見たりするので
そのことが分かる
薬を飲み忘れてよく体験できるのは
嫌な記憶の連想である
薬剤で嫌な記憶の連鎖を抑制するだけで随分と助かるものだ
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ストレス対処法として眠ってしまうのも有力である
睡眠の間は
1.忘れられる
2.回復過程が進行する
夢を見て困ることがあるので夢だけ抑制すればよいだろう
たくさん眠ることはよいことだ