現代人の精神性的状況を解釈するために
浴場付き個室に住み常時給湯され室温管理もされライトもいつでも使えて
つまりはいつでも好きなときに清潔な状態で性的行動ができるということが
どんなに人類史において異常なことか考えてみる必要があるのではないか
平安の貴族も平民も
月明かりの下で虫に刺されながら何かしていたのだろうし
暑くて大変、寒くて大変、いろいろな差し障りもあり、
それでも奪う強靭な意志というか欲望があったのだと考えると感動もする
現代人はそこまで突進できない
君がよかったら、僕はそれでいいよ、なんて言っている
君が嫌だったら、僕はそれでいいよ、君次第だよ
ーー
思いやりでも優しさでもなく
男は闇雲に突進して
そのことが女には思いやりにも優しさにも情熱にも映るという
素晴らしい完全な予定調和の世界が昔はあったのだろうか