短縮版軽躁病チェックリスト(HCL-16)

MedWire News:16項目からなる短縮版軽躁病チェックリスト(HCL-16)によって双極性障害(BD)と大うつ病(MDD)を的確に識別でき、感度や特異度に関しても32項目からなる完全版(HCL-32)と遜色ないことが研究で示された。

HCL-32は「臨床・非臨床を問わず、さまざまな状況で双極I型障害と双極II型障害を正しく特定できる有望なスクリーニング質問紙だが、(プライマリケアなど)多忙な臨床現場で利用するには長さや形式の点で使いにくい場合がある」と、カーディフ大学(英国ウェールズ)のDaniel Smithらは説明する。

研究ではまずDSM-IVの診断基準を用いて確定診断された双極I型障害患者230例と再発性MDDと確定診断された322例を対象に、HCL-32の項目間の相関性を調べ、内容的に重複していると思われる項目を特定した。患者の平均罹病期間は21.5年であった。

次に、上記とは別に双極性障害患者(n=59)およびMDD患者(n=76)を被験者として、16項目からなる短縮版HCL質問紙の性能を検証した。

その結果、HCL-16スコアが8点以上になると(HCL-32では18点以上)、双極性障害とMDDを確実に識別できることが示され、その感度は83%、特異度は71%と、32項目からなる完全版HCLと変わらなかった。HCL-16の陽性適中率および陰性適中率はそれぞれ69%と84%であった。

さらにHCL-32と同様に、HCL-16を構成する2つの主要因子として「活動亢進(active-elated)」と「無鉄砲であること/易刺激性(risk-taking/irritable)」が同定された。

ただし、HCL-16は完全版であるHCL-32を実施した被験者の結果から引き出されたものであるため、「今後、HCL-16単独での妥当性を検証することが重要である」とSmithらは警告している。


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2つの主要因子として「活動亢進(active-elated)」と「無鉄砲であること/易刺激性(risk-taking/irritable)」があげられている。

ここで言う双極性障害(BD)は、reality testing を失っていたりとかそんな事ではないようだ

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このような報告で
では、「じつは躁鬱病でしたとか、じつは大うつ病でしたとか、どのようにして区別しているのかと考えると
なーんだ、本当に正しい診断法があるんじゃないかと分かるわけで、
それなら最初からそれでいいのじゃないかと思ったりする。