対立軸は親小沢と反小沢

 右や左という分類は、ソビエト連邦の崩壊以降、大きな説得力を持たなくなった。
 リベラルと保守という立場の違いも、実際のところはっきりしないままだし、その他、親米と反米、大きな政府と小さな政府といった争点も政界を二分する分岐点にはなっていない。
 都市と農村および給与生活者と自営業者の間にはそれなりに明確な利害の不一致があるように見える。が、それらの相反する立場を代表する政治勢力は、結局のところまだ生まれていない。

 とすれば、1980年代以降の日本の政治は、親小沢と反小沢という二つの立場の綱引きが動かしていたといってもそんなに的外れではない。
 もちろん、小沢vs非小沢の対立は、政策的なものではない。政治的な立場の違いでもない。
 主張・信条というよりは手法の違いだ。あるいはもっと卑近に、選挙における戦い方の違いであったかもしれない。