神宮外苑花火大会 お岩さん PTSD

明日木曜夜に神宮外苑の花火大会
躁状態の人ははずせないイベント。

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今夜、東海道四谷怪談のお岩さん。

お岩さんは、毒薬で殺されたというメインの話と、
伊衛門はアルコール症で小動物を見たというサブの話があるけれど、
考えてみれば、お岩さんは
「病弱+親を夫に切り殺されて秘密にされる+産後の負担+浮気をされる+按摩さんに性的暴行を受ける」といった具合で、
まさに複雑性のPTSDっぽいのだし、
これだけあったら、やはり、恨んでもいいと思う。

伊衛門にしても、お家とりつぶしで、傘張り職人をしていて、いろいろといざこざもあり、
さらにおきまりのアルコールもあり、
なによりいい友人が一人もいないというのも特徴で、
けんかは強かったようだし、何かといえば切って捨てるタイプのようで、
現在の状態で言えば、性格障害の要素があるけれど、
生育の歴史を辿ればやはりPTSDの要素もあるように思う。

登場人物はどの人も不幸であり、
不幸ゆえに精神的な不調を抱え、
さらに不幸を招き寄せてしまうようで、
そのあたりは鶴屋南北の設定がうまいと思う。

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恨と書いて思い出したが、
先日韓国についての話があって、
韓国で「恨」というときは、
個人から個人への怨念というよりは、
あるべき状態に自分がないという、自分への悔恨を込めて「恨」というのだと言っていた。

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大人と子供で言えば、
子供は圧倒的にPTSDになる危険があるのだし、
女性と男性で言えば、女性がPTSDになる危険が高いと思う。
世の中の仕組みで言えば、
「偉い人の子供」などというものは、
親を恨んだり羨んだりする気持ちが、
その子供への虐待につながらないでもなく、
偉い人の子供も、それなりに大変なのだと思う。
大人の男同士でいっても、やはりそこには虐待の要素は埋め込まれていて、
最終的にPTSDから免れているのは、
世の中の少数部分だと思う。

虐待は世代間で連鎖するもので、
あるいは、一世代ジャンプして後世代にジャンプして伝わることも多く、
(たとえば、おばあちゃんが孫を陰険にいじめて、PTSDにしてしまう)
人の世は簡単ではない。

PTSDになっても、「立ち直る力」がどのくらいあるかで、
未来はかなり違うのだけれど、
そのとき、「仲間」「友人」の力は大きいと思う。
あるいは「おじさん」「おばさん」の力が大きいこともしばしば言われる。

PTSDの物語になると
本当に人間であることが悲しくなってしまうような物語が多い。

絶望はしないようにしよう、
連帯しよう、
世代間の連鎖をくいとめよう、
などが思い浮かぶ。

端的なPTSDは性的なもので、
その場合は、子供と女性、そして一部の男性が被害者になる場合が圧倒的だ。
力関係というものは、性的な力関係によくあらわれるのだと思う。

http://jp.youtube.com/watch?v=w0gkl_8CgvY&feature=related