先輩の意見
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全国の学校で「いじめ」が顕在化した1995年に
スクールカウンセラーが派遣されるようになって、
学校のなかで、ADHDやアスペルガー症候群や
高機能発達障害の子どもへの対応が問題になってました。
小児精神を専門になさっている先生方は、
コテコテの自閉症とか発達障害をみてらっしゃるのに対し、
青年期から成人をみている多くの精神科医は、
幼小児期にはほとんど問題にならなかった
軽微・発達障害の二次障害をみているので、
話がかみ合わないのはもっともなことなのですよね。
牛島定信先生が触れられた
軽微・発達障害(PDD・NOS)とチクロイド(循環)気質の話は
臨床感覚にフィットする感じでした。
軽微・発達障害という視点は、
思春期・青年期症例の社会的人格の脆弱さと不器用さ、生きにくさとの付き合いであり、
診断はラベリングやレッテリングなどではなく、
治療というか、生き方そのものを問うことになりますよね。
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発達凸凹に適応障害が加わってはじめて発達障害と診断する
発達凹凸自体は「社会性(人間関係)」
「コミュニケーション(言葉遣い)」「想像力(こだわり)」
の3つの特徴を持つことが知られています。
視線が合いにくいとかKY(空気が読めない)は社会性の特徴で、
独特の言い回しとか字面通りの理解はコミュニケーションの特徴、
こだわりや変化への脆弱性は想像力の特徴。
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物差しが違うということはありますよね
ミリメートル刻みの物差しと
メートル刻みの物差しでは
随分世界は違うわけです
どの物差しが必ず万能というわけではないので
時と場合によって柔軟に使い分けることですよね
でも柔軟にするには勉強も必要なわけでして
かなり負担なのだと思います